スポーツ科学でみる

足上げ腹筋は腹筋に効かない


からだ作りをはじめる人が多い6月。
ボディラインが目立つ服を着る機会が増える夏。
そろそろ始めなきゃ!と思う方が多いからでしょう。

シェイプアップで特に気になるお腹周り、腹筋は、
構造を理解すると効率よく鍛えられるので、
じっくり見て行きましょう。

●筋肉の付け根がわかれば動きがわかる
質問です。
力こぶの筋肉に力を入れてください。

と言うと皆さん、肘を曲げると思います。

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鈴木正之著「間違いだらけの健康体力づくり番組」中日出版社から抜粋

図を見ると、力こぶの筋肉、上腕二頭筋は
背中にある肩甲骨と前腕にある橈骨(とうこつ)の
2つの骨に付着しているのがわかります。

筋肉は、付着している一方の骨を固定して、
もう一方が付着している骨を近付けることで、
筋肉が短くなり力を発揮します(短縮性筋収縮)。

前腕の骨を肩甲骨に近付けるために、肘を曲げる。
だから力こぶの筋肉に力が入り盛り上がる。
上腕二頭筋に力を入れるのに、
肘を曲げるのは、正解です。

●腹筋は脚についていない
では腹筋。
特にお腹の前にある「腹直筋」の付け根を見ましょう。
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カパンディ「関節の生理学III 脊柱・体幹・頭部」医歯薬出版から抜粋

付け根は骨盤と胸部の肋骨にありますね。
ということは腹直筋に力を入れるために、
骨盤と肋骨を近付けることが必要です。

腹筋は、脚の骨にはついていないので、脚を
持ち上げるだけでは、使われません。
骨盤を丸め上げる動作が入らないと
使われないのです。

どんなトレーニングで鍛えられるかというと、
「クランチ」
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お腹を丸めて骨盤に肋骨を引き寄せる種目です。


もう一つは「ヒップレイズ」
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鈴木正之著「間違いだらけの健康体力づくり番組」中日出版社から抜粋

脚を持ち上げた位置から、骨盤を丸め上げて、
肋骨に引き寄せる種目です。

脚を上げる腹筋のトレーニングは、
骨盤を丸め上げることでより効率よく鍛えられます。

ちなみに全国書店で発売中のファッション誌、
OCEANS7月号。私、連載中の「筋肉ソムリエ」も
腹筋特集です。あわせてぜひ御覧ください。

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コラムニスト:柴田 明

フィジカルトレーナー

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