スポーツ科学でみる

リバウンドと過食のメカニズム


「10日で5kg痩せる!」など相当無理しないと目標達成できない
ダイエット法がテレビや雑誌でよく紹介されています。

短期間で痩せるには、どうしたって極端なカロリー制限が必要。
短期間でダイエットに成功した芸能人のほとんどがリバウンドしているような...。

ダイエットの後に体重が戻ったり、以前より増えたりするのがリバウンド。
意志が弱いから!だけではありません。

ダイエットをすると生理学的に太りやすい体になる
こんな研究が 2011年10月27日号 の
The New England Journal of Medicineに掲載されました。
Long-Term Persistence of Hormonal Adaptations to Weight Loss

これは50名の肥満患者に10週間の超低カロリーダイエットを行い、
ダイエット開始直前
ダイエット終了直後(10週間後)、
ダイエット終了から1年後(開始62週間後)
の満腹と空腹に関係するホルモンの値を比べたもの。

超低カロリーダイエット直後のホルモンの値
●超低カロリーの食を10週間続け
 平均13.5kg(+-0.5kg)体重が減少
●食欲を抑制して、満腹を感じさせるホルモンの値は低下
 (レプチン、ペプチドYY、コレシストキニン)
●食欲を増やし、空腹を刺激するホルモンの値は上昇
 (グレリン、消化管抑制ポリペプチド、膵臓ポリペプチド)

超低カロリー食を10週間続けたら体重は減りました。
でも、お腹が空きやすく、満腹を感じ辛い体にもなりました。

1年後も太りやすいまま
満腹を感じるホルモンの値は、ダイエット終了1年後でも
ダイエット前の値を下回っていた。
空腹を刺激するホルモンの値も上回っていた。

極端な食事制限をしたダイエットで、お腹が空きやすく、
満腹を感じ辛い体になってしまったら、1年間その状態
は続くようです。

超低カロリーダイエットをすると...
 空腹を刺激するホルモンの値が上昇。
 お腹が空きやすい。
→お腹が減るので我慢し切れず食べる。
→満腹を感じるホルモンの値が低下。満腹を感じ辛い。
→もっと食べる
→リバウンド
というメカニズム。

過激なダイエットを繰り返す度に、食欲が以前より増して
太りやすくなったという人が多くいます。
私も食欲が一番増すのがダイエット中と、ダイエット終了直後です。

切れ食いのメカニズム
ダイエット中いつもより食べ過ぎてしまう「切れ食い」。
同じホルモンの働きがあるのではないでしょうか。

ダイエット中もホルモンの値が変化して
空腹が強く出て、満腹を感じ辛い状態になっている。
だから、ダイエットしていない時よりも食べてしまい
失敗するのかもしれません。

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どんな形にせよ、短期間で体重を落とす事に成功した人が
精神的に弱いとは思えません。
このような人がリバウンドするのは、過激なダイエットが原因で
お腹が空きやすい体になったのも強く影響しているでしょう。

リバウンドを起こし辛い上限の減量幅は経験的に
1週間500gと言われていて、これ以上だと
太りやすい体になる確率が高まります。

極端に摂取カロリーを低くして体重を落とす方法は
10日で5kg減らす方法でも触れた通り
体重制限のあるアスリートが計量をクリアするために使う方法。

特別な事情がないなら、激しいダイエットを私がお勧めしない
理由の一つです。
コラムニスト:柴田 明

フィジカルトレーナー

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