食の色香をほんのりと

NHK"タイムスクープハンター"が愉快です


やってきました初鰹のシーズン、
ほんのりと紅がかった濃桃色の刺身が食べたくなるこの頃です。

紡錘型のスタイル、ツヤッとした銀肌に小粋なラインの縦縞(※)。
その果敢かつスタイリッシュな姿にもグッときます。
この時期、黒潮に乗ってやってくる上り鰹の「初鰹」と、
秋頃折り返してくる下り鰹の「戻り鰹」、
お味の好みは分かれるところでもありますが、
春と秋それぞれに舌は小躍り、食卓を楽しませてくれる鰹です。

江戸川柳で「女房を質に入れてでも食べたい」とも言われるように、
とりわけ江戸の人にも「初鰹」は羨望の的で、
初ものの鰹はたいそう高値でなかなか庶民の口に
回ってくるものではなかったことが伺えます。

鰹=タタキのイメージが強いですが、鮮度のいい鰹なら、
紅桃色をしたそのままを、ちょっとの山葵と醤油をまとわせ、
刺身でいただくのが極上と思います。
また「初鰹 銭と辛子で 二度なみだ」ともうたわれているように、
ぴりっとツンとする辛子を合わせても美味。舌だけ江戸へタイムワープです。

先日、NHKのドラマ風ドキュメンタリー歴史番組「タイムスクープハンター」でも
「江戸時代の初鰹の争奪戦」が取り上げられていました。
当時の初鰹には三両(約30~40万円)の高値がついたこともあるとか。
まさに高嶺の花の鰹です。

この番組、毎回毎回、歴史の教科書にはのらない些細な史実小ネタにフォーカスし、
未来から来たジャーナリストが当時の人に密着取材をするという設定で、
面白可笑しく時には真面目に見せてくれます。
放送時間は、NHK総合テレビ毎週 火曜日22時55分~23時25分。
現在既にシーズン4を展開中で私はシーズン1から見ています。
歴史をゆるく楽しみたい方、おすすめです。

(※)鰹の体側下部に走る暗褐色の数本の帯。
生きているときは不明瞭ですが死んだ後にはっきり現れるのでデスマスクと呼ばれることも。

■お知らせ■
鰹を一尾おろすのはちょっと気構えそうですが、
魚の三枚おろしの基本「鯵」から始めてみるのはいかでしょうか?
5月27日(日)、東京・代官山のキッチンスタジオAL(アル)にて
和食の基本レッスンを行います。
だしのとり方やごはんの炊き方、鯵の三枚おろしなど、
基本をつめこんだ単発参加スタイルです。
どうぞお気軽にご参加ください。お待ちしております!
詳細はこちらまで → http://al-tokyo.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html
AL → http://www.al-tokyo.jp/

コラムニスト:奥田 ここ

奥田ここ料理教室主宰

奥田ここ Twitter ID:http://twitter.com/KokoOkuda
コンタクト先:kokookuda.info@gmail.com
奥田ここBlog 「馳走」:http://chisou.typepad.jp/

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