食の色香をほんのりと

岩木山の背中とヤリイカのパスタ


相撲の話題が続いていますが、
先日、元小結岩木山 関ノ戸親方の断髪式に行ってきました。

大学卒業後、高校職員を経て角界入りを決意した異色の関取、岩木山。
一昨年の春に小脳梗塞が見つかり、現役を続けたいという強い気持ちもあったそうですが、
身体を大事にしてほしいという家族の願いもあり、引退を決意されました。

その岩木山の断髪式を、東京・両国国技館の向正面席(正面と反対側)から拝見しました。
舞の海秀平さんや次期横浜DeNAベイスターズ監督の中畑清さんを始め、
約250人が岩木山の大銀杏にハサミを入れました。

向正面席の私からは岩木山の背中しか見えず、
最初こそ不謹慎にも「250人のハサミ入れ、長丁場だな」と思っていたのですが、
次第にその背中に見入ってしまいました。

自身の大銀杏にハサミを入れられる岩木山の背中、
そしてハサミを入れる方々のやや緊張すら感じられる背中。
ハサミを入れる都度交わされているであろう二人の会話までは聞こえませんが、
さみしくもあるけど誇らしくもある今この瞬間をかみしめている、
そんな空気感が伝わってきたように思います。

人生最初で最後の断髪式、父親の対馬寿幸さんが土俵に上がり、
深々とゆっくりとおじぎをする姿には、涙腺のバルブがゆるんでしまいました。

「オーラのある人」という言葉を聞くことがありますが、
オーラとはまたちょっと違う、背中から伝わってくる生き様というか、ロマンというか。
岩木山の背中に素敵を感じ、そういう背中になれるよう日々を重ねていきたい、
とそんなことを思った一日でした。

四股名の由来は、故郷である青森県の岩木町と岩木山です。
今回は、旬を迎えている青森県の美味しい食材「ヤリイカ」を使った
パスタレシピをご紹介いたします。

■ヤリイカと菜の花のスパゲッティ(2人分)■
ヤリイカの旨みたっぷりのトマトソースに、
同じく旬を迎えている菜の花をそえたスパゲッティです。

1.にんにく(1カケ)をみじん切りにし、鷹の爪(1本)の種を出す
2.ヤリイカ(2ハイ)を流水でよく洗い、甲・内蔵・目・口を取り除き、
   1cm幅に切り、白ワインでさっと洗う(洗った白ワインは捨てる)
3.菜の花(6本)を洗い30分ほど水に漬けたのち、
   塩を入れた熱湯で下茹でし一口サイズに切る
4.フライパンにエクストラヴァージンオリーヴオイルと、
   1.のにんにくと鷹の爪を入れ弱火にし、にんにくが薄いきつね色になってきたら、
   2.のヤリイカを入れさらに炒める
5.ヤリイカに大方火が通ったら、ホールトマト1缶とケッパーを入れ、
   トマトをつぶしながら弱火で20~30分ほど煮込み、最後に塩・胡椒で味を調える
6.たっぷりの湯でスパゲッティ(160g)を茹で、茹で時間目安の1分前になったら
   スパゲッティをすばやく湯切りし、5.のソースによくからめ、器に盛ったら出来上り

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コラムニスト:奥田 ここ

奥田ここ料理教室主宰

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コンタクト先:kokookuda.info@gmail.com
奥田ここBlog 「馳走」:http://chisou.typepad.jp/

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