食の色香をほんのりと

ようこそ関取、さよなら南門


大相撲初場所も終盤。
できることなら毎日べったり幕下以下の取組も観戦したいのですが、
なかなかそうもいきません。

今場所、通常のテレビ中継でも見る機会の少ない幕下に、
これからがとても楽しみな期待の力士を見つけました。
先日たまたまNHKのテレビ中継で見た幕下の取組で、
腰が低くものすごくいいからだをしているな、と思い素性を探ってみたところ、
北の湖部屋の佐久間山と判明。

なんと序ノ口(大相撲の一番下のクラス)デビューから
本場所の取組で土つかずの27連勝。
その記録は元小結板井の史上1位の記録を見事塗り替えたもの。
こういう力士が場所ごとにずんずんと上位に上がっていく様を見るのも
相撲ウォッチの楽しみのひとつです。

出世魚のように、四股名を変える力士がいるのも面白い。
佐久間山、十両に昇進して「関取」となり、佐久間山関と呼べる日が待ち遠しい。

また今場所の注目はなんといっても、新大関・稀勢の里の活躍。
先場所ではライバル関係と言われていた琴奨菊に大関昇進を先越され、
大関候補と言われつつなかなか到達できなかった高みの地位、
ついにその座を手にした稀勢の里。

馬力を感じる、猪突な、シメコミの赤のようにアツイ取口が大好きです。
大相撲の最高位、ぜひとも綱を取って欲しい。
ただ、ひとつさびしいのは東京・両国国技館の入待ち・出待ちでもう出会えないこと。
力士の方々の多くは両国国技館の南門と呼ばれる門から入ります。
贔屓力士の国技館入りを待つファンも集まるエリア。
しかしながら大関以上になると地下駐車場の使用が許可されるため、
ほとんどの場合南門を通らず地下から支度部屋へ直行するので
もう会えなくなる、という訳です。

かくいう私も、今まで多くの力士の方々と図らずもバッタリ出会えたこと数知れず。
一番驚いたのは把瑠都関と遭遇したとき、
人差し指を差し出してくださり握手をしたのですが、
ちょうど小さめの雪平鍋の柄を持つ感覚と同じだったこと。
あたたかくそして驚くほど大きな指にびっくりしました。

大相撲平成24年初場所、東京・両国駅に鬢付け油のかおりが漂い、
太鼓櫓からの音色が響くのもあと4日です。

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把瑠都関の指と握手をしたとき、
ふと思い出した径15cmの雪平鍋の柄。


コラムニスト:奥田 ここ

奥田ここ料理教室主宰

奥田ここ Twitter ID:http://twitter.com/KokoOkuda
コンタクト先:kokookuda.info@gmail.com
奥田ここBlog 「馳走」:http://chisou.typepad.jp/

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