オトナ女子的海外テレビ偏愛論★

One Voice の強さとエンタテインメントであるからこその気遣いと。


2011年は多くの人が様々な思いを抱いた1年になったことかと想像します。
そのきっかけは、3/11に起きた東日本大震災に振り返る人が
ほとんどなのではないでしょうか。

エンタテインメントの業界においても、その影響が大きかったのは確かです。
エンタテインメントゆえに自粛を余儀なくされるもの、
エンタテインメントだからこそ必要とされたもの、
あらゆる形で"エンタテインメントの力"を其処此処に感じました。

CSの海外ドラマで放送される映像の中で印象的だったものが2点あります。

一つは、海外ドラマキャストからの応援メッセージの放映です。

ギブスが!G・カレンにサムが!ウィルが!スティーブが!ホレイショが!
ジェーンが!etc etc....

FOX JAPANの『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』 『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』
『Glee』やAXNの『Hawaii Five-0』『CSI:マイアミ』、
そしてスーパー!ドラマTVの『メンタリスト』など、人気海外ドラマに出演している
メインキャストたちがこぞってコメントしているのを見たときのグッときた感情は、
記憶に新しいところです。

カンペ読んでるな...なんていう感じの映像もありますが、
ハードなドラマ撮影で忙しい状況を考えれば、
海外ドラマ・ファンにとっては、ホントに貴重な映像です。

中でも、AXNやAXNミステリーチャンネルが放送した
メッセージ性の高さに感心しました。

...Please stay hope. We are TOMODACHI
...Stay strong. We are TOMODACHI

といういう具合に、励ましの言葉の最後に
"We are TOMODACHI"というキーフレーズを揃って発していたのです。

この"We are TOMODACHI"というメッセージは、
3/11のアメリカ軍による災害救助・救援および復興支援を活動内容とする
"Operation Tomodachi"にそったものになっているのは明白で、
アメリカ・ドラマの錚々たるキャストたちが同等に"We are TOMODACHI"と発することで
その思いがOne Voiceとなってメッセージに強さ増長。
ゆえに、メッセージを受け取る者への強烈な印象この上なし。...なわけです。

今年6月にアメリカのサンディエゴで行われたIABCのワールド・カンファレンスで、
組織がある方向性に向かって進むときには「One Voice」にまとめて
そのメッセージを発信していくことの大切さと唱えていたのを思い出します。

たまたまAXNのスタッフが考えた企画かもしれませんが
アメリカ軍によるキー・ワードをアメリカのテレビ・スターたちが伝えるという構図は、
試聴者がアメリカという大きな組織の強いメッセージが「One Voice」として
発せられていると受け取る、と考えても言い過ぎではないでしょう。

さらには、この"We are TOMODACHI"という「One Voice」のメッセージは、
エンタテインメントを提供しているAXNがすべての視聴者に伝えたかった
メッセージだっととも捉えられると思います。
どんな状況にあっても、エンタテインメントは
必要なときに側にいる存在であるとでもいうかのように。

素直に人気俳優たちのコメントを喜んで見ながらも、
メッセージの核を多勢と共有しそれを発信することは、
なによりも人の気持ちに訴え、共感や理解を得られるのだと
体感・感心させられました。

【AXN/AXNミステリー】海外ドラマキャストから寄せられたメッセージ
http://axn.co.jp/stream/tomodachi/

【FOX】『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』 東北地方太平洋沖地震応援コメント
http://www.youtube.com/watch?v=4Ssb6YViaN4&feature=endscreen&NR=1

【FOX】『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』 東北地方太平洋沖地震応援コメント 
http://www.youtube.com/watch?v=q1kDzcyHuC0&feature=relmfu

【FOX】『Glee』マシュー・モリソン 東北地方太平洋沖地震応援コメント
http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=J4PtZsU7si8&feature=endscreen

【スーパードラマTV】【THE MENTALIST(メンタリスト)】サイモン・ベイカー応援メッセージ
http://www.youtube.com/watch?v=4vmTEVqHwsc&context=C2ec34ADOEgsToPDskJqih-Dmrm0GXySAXp_QnFY


海外ドラマで気になった二つ目は、放送番組に対する鑑賞の注意表記です。

例1:HAWAII FIVE-O
 
"第15話「作られた偶然」は津波を題材とした内容になっております。
ご了承いただきました上、ご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。"

例2:THE EVENT

"この番組には、自然災害を想起させるシーンや
放射能・放射性物質が扱われるシーンがございますが、
作品のオリジナリティを尊重し、そのまま放送いたします"

こういった注意書きは、東日本大震災や福島の原発事故を
配慮しているのは一目瞭然です。
放射能を題材にした犯罪や輪番停電を題材に起きた事件を扱う内容の回が
放送見送りになったドラマもあったりします。

エンタテインメントは 楽しみ、喜び、もてなし と訳されるものであり、
もてなしとは相手への気遣いです。
これらの放送のすべての視聴者がどういう状況で
番組を見ているのかは、計り知れません。

それゆえ、"楽しみ"だけを与えるのだと考えて何も意識せずに放送するのではなく
真のエンタテインメントを扱うものとはいえないのではないでしょうか。
本当に喜ばれるものとして純粋に受け入れられるためにも
必要な気遣いをするのは大事であり当然のことです。

エンタテインメント業界に身をおく者として、
'エンタテインメント'が時には謙虚に時には勢いをもって
楽しみを届けられるそんなバランスで人々に寄り添えるものであるべきだと
考えさせられた一面でした。


最後に。個人的には、2012年は、2011年に共感・体感したしてきたことを忘れずに
前進していかなきゃいけない年になるだろうという気がしています。

オンエアナビをご覧になっている皆様にとっても、
来年がどんなことであれ、どんな状況であれ、
少しでもプラスになる出来事が起こる1年でありますように。
今年は拙いコラムにお付き合い頂きましてありがとうごうざいました。
来年度もよろしくお願い致します。
コラムニスト:岡崎 早苗

ビクターエンタテインメント: http://www.jvcmusic.co.jp/
IABC Japan : http://www.iabc.jp/
IABC : http://www.iabc.com/

本ページはプロモーションが含まれています。