オトナ女子的海外テレビ偏愛論★

好きなアイドル狙い撃ち!~「アメリカン・アイドル」に見るスター誕生と大統領選【前編】


とある英国紳士は「うちの奥さんにつきあって"アメリカン・アイドル"を見させられた...。

もー、本当に時間の無駄だよ...」と嘆いていたが、
私は、この"アメリカン・アイドル"が面白くてたまらない!
今さらだけど、なんだかんだで興味引かれるものがやっぱりあるのです。

現在のアメリカン・アイドル シーズン11は、
昨年に引続きエアロスミスのスティーヴン・タイラー、
ジェニファー・ロペスがシーズン1から審査員を務めるランディ・ジャクソンに加わり、
MC界のアイドルといっても過言ではないライアン・シークレットが司会を務めてます。
番組の概要やみどころは、FOXのサイトで確認してみてください。

さて、"アイドル"的要素のある人たちにとりわけ関心が高い私としては、
勝手にアイドルとはこうあるべきみたいなことを念頭に
画面をくいるように見ているわけです。簡単にあげれば以下のとおり。

ジェンダー :男子 > 女子
容姿    :大多数の意見として美男・美女 > 個性的な美男・美女
歌唱力   :上手いけどちょっとクセがある > 普通に上手い
キャラクター:いいに越したことなし!

というわけで、今シーズンの一番のお気に入りはフィリップ・フィリップス(20歳)。
まんまとFOXの戦略にのせられてます。地方予選からかなりのカット数。
アメリカン・アイドルの制作陣も彼を気に入ってるとしか思えない感じがプンプンです。
とはいえ、自分のアイドル枠に合格している彼のパフォーマンスを
見続けられることが楽しいのは確か。
アッシャーの「U Got It Bad」を歌ったパフォーマンスは
録画映像リピートしまくりの必聴ものです。
そしてジェニファーのコメントに激しく同感。
"He is SEXY!"

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Phillip Phillips
"U Got It Bad" by Usher
http://www.youtube.com/watch?v=KSw5KU-t3rE
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女性陣では、ジェシカ・サンチェスに一票。
圧倒的な歌声と日本のアイドルやモデルなみの華奢な体系、
そして16歳らしい笑顔に応援必須です。
彼女がTOP13のパフォーマンスで披露したホイットニー・ヒューストンの
「I Will Always Love You」はYouTubeの視聴数がハンパない。
奇しくもホイットニーの急逝の時期と重なり、彼女の再来を思い起こさせるその歌声は、
ただものではないオーラが漂っています。

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Jessica Sanchez
"I Will Always Love You" by Whitney Houston
http://www.youtube.com/watch?v=kPX-H3KGjJI
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番組における結果発表では、ある種の驚きが毎度繰り広げられます。
今シーズンのハイライトはTOP8→TOP7に絞られるパフォーマンスの結果発表での出来事。
これまで一度もボトム3(ワースト3)に入ったことが無く、
非常に"アイドル"らしい上述のジェシカ・サンチェスが、何故か落選の危機に!

彼女はもちろん動揺。そして会場のオーディエンスもどよめく中、
審査員から救済を受けられるか否かの敗者復活をかけて、
彼女は再度歌い始めます。
ところが、歌いだした途端、なんと審査員たちがドヤドヤとステージにあがり、
ジェニファー・ロペスがマイクを取り上げ、「こんなのってありえないわよ~っ!」と
激怒&激コメントをし、続いてランディ・ジャクソンが彼女を救済することをアナウンスし、
更に視聴者や会場のオーディエンスに向けちゃんと公正な投票を呼びかけるという、
とてもドラマティックな結果発表が展開されたのです。

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Top 7 Results
http://www.americanidol.com/videos/season_11/recaps/top_7_results/
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まあ、公正なアメリカ国民の投票によるオーディションという触れ込みとは裏腹に、
実際のところ、番組を盛り上げるために制作陣がハプニングを
意図的に作ったんじゃないの?なんて勘繰りもあるかもしれません。
そんな穿った見方も面白いかもしれませんが、
それより私がこのハプニングで面白いと思ったのは、
ジェシカが建前的には"アメリカ国民の"投票で落選したという事実に対する、
様々な視聴者たちのコメントです。 

発表当時のYoutubeやら上記のResultsの書き込みを読んでみると、
出てくる出てくる、アメリカに残る差別主義に対する怒りのコメントが。
事実ジェシカは、父親がメキシコ系、母親がフィリピン系のアメリカ人なのです。
前回のシーズン10のファイナリスト2名とも
ホワイト系のカントリーシンガーだったのを思うと、
アメリカの社会的背景がこういった国民参加型の番組には
どことなく影響されるのを強く感じたります。

以前「Glee Project」のコラムでも触れたのですが、
この「アメリカン・アイドル」、個人的には、番組のあり方がとっても
アメリカ大統領選を彷彿させられます。

 <後編に続く...>
コラムニスト:岡崎 早苗

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