経験すること、一緒にいること。
2012年06月26日
先日お目にかかった某ホテルマンの方は、かれこれ6年以上の仕事のお付き合い。
国内外の有名ホテルで培った豊富な経験を持ち、ホテルをこよなく愛する素敵な方です。
そんな彼から聞いたエピソードがとっても面白い。
かなり前、熊本のホテルに勤務されていた時のこと。
着物をお召しになったご婦人が、フロントにいた新人ベルガールに話しかけているのを見かけ
心配になった彼は近くで様子を見守ることに。
ご婦人:「結納(ゆいのう)の口上(こうじょう)はありますか?」
新人ベルガール:「(焦りながら)え~っと、ういろうの工場(こうじょう)は熊本に無いと思います...」
ご婦人:「え???(きょとん)」
新人ベルガール:「(焦りながら)あぁ!でも、確か、佐賀にはあったと思いますぅ!!!」
ご婦人:「(どうしようかしら)・・・」
この後、彼が対応して事なきを得たそうですが。
「 着物をお召しになってフロントにいる時点で結婚式もしくは結納であることは明らか。
経験さえあれば、何を聞かれるかを想像するのはそんなに難しいことではありません 」
と笑いながら教えてくれました。
この話を聞いて、経験値が高ければ高いほど、
私達は言葉以外の五感を無意識に活用して相手の雰囲気を察知するんだなぁ、と思いました。
例えばパートナーやご主人、奥様が帰宅した時に不意に感じる
「あれ?なんかいつもより機嫌悪い?」の感覚。
もちろん、言葉のかけ方や声のトーンなど
耳で判断することも大きな要素ですが、それ以外のもの。
例えばちょっとした視線のはずし方や浮かない表情、いつもより遠い距離感、
少しだけ早い歩くスピードやうるさい歩く音、そして体温など。
これら体全体から発せられる"不機嫌さ"を敏感に感じることで、
こちら側の感情が揺さぶられる。
当たり前ですが、上機嫌よりも不機嫌さの方をより敏感に察知して、
不機嫌な相手への"気遣い"や"憤り"など様々な感情が生まれてくる。
これは、出会って間もない二人では生まれない感情なのかもしれません。
いままで一緒にいた時間が経験となって、
経験と比較して「いつもと違う」を肌で感じてしまうような気がします。
そうは言っても、生活していれば不機嫌な日だって当然あって、
相手に甘えて不機嫌さを敢えて表現してしまうこともしばしば...。
(個人的に反省しております 笑)
でもこれは、そこに何かしらの"愛情"があってこそなんじゃないかな~と思います。
こういう感覚を感じることが出来るくらい一緒にいられることって、
今の世の中そうそうないもの。
とっても貴重で、とっても素敵なこと。
だから、あんまり簡単に人とのつながりを諦めてはいけないんだと思います。
カップルや夫婦だけでなく、友人や親子などすべての関係に言えるのかもしれませんが、
「もう何も言わなくても分かっちゃうんだよね!」って言えちゃうくらい一緒にいられるのは、やっぱりとても幸せなことで、
気づいたら周りがそんな関係ばっかりになってた!と思えるようになりたい。
ちょっと遠いですが、ホテルマンの方のお話からそんな風に思いました。
コラムニスト:井関 紀子
ドクターシーラボ 広報
井関紀子 twitterアカウント
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顔のたるみ研究所所長
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