一人広報の達人イデルミのコラム

東大からキャリア官僚合格しNPOの職員へ ~企業と互角に闘うNPOの新風~


広告界の二大巨頭、電通・博報堂とともにプレゼンテーションすることになりました!

5月16日(水)19時より、博報堂本社(港区赤坂)で
2011年PRアワードグランプリで最優秀賞を受賞した
電通(電通PR)、セカンドハーベスト・ジャパン、博報堂の三者が
受賞作品のプレゼンテーションを披露します。

私はセカンドハーベスト・ジャパンの広報として
昨年12月、最優秀賞受賞の時にプレゼンした内容に新たな情報を加え
今回は一般公開でプレゼンを行います。
セカンドハーベスト・ジャパンは、2002年3月11日にNPO法人化し
フードバンク活動をおこなっている団体です。

日本PR協会主催のこのセミナーの定員は150名。申込みが始まったところです。
http://event.prsj.or.jp/event/advanced/case_study

昨年の震災をきっかけに、企業を辞めて、NPO広報などを担当する独立者へと転身したので
大企業とNPOが、こうして肩を並べる時代が来たことを、しみじみと感慨深く思います。
震災の後、支援に尽力するNPOの人たちを見て、行動する人を応援していきたい、
と、心から思いました。
初動が早く、行動力のあるNPOの頑張りを見るにつけ
日本では、NPOの評価が低いのではないかと感じ
なんとかそれ相応に評価してもらえるようにならないだろうかと考えておりました。

企業広報や広告・PR代理店で受賞者が占められている
日本PR協会のPRアワードグランプリにNPOのセカンドハーベスト・ジャパンとして
エントリーしたのも、そんな背景がありました。
その結果、ソーシャル・コミュニケーション部門に14団体エントリーがあった中
書類審査で3団体が選ばれ、その中で「ダントツ」(審査委員長評)で選んで頂きました。
NPO自身が発表しての最優秀賞受賞は、PRアワードグランプリ史上初の快挙です。

このセミナーのご案内を告知している最中に、こんなニュースが飛び込んできました。
東京大学大学院在学中に、国家公務員一種(キャリア官僚)の採用試験に合格した
24歳の男性が、震災ボランティアをきっかけに、
キャリア官僚の道を蹴って、NPOの職員になったというのです。

<NPO職員>霞が関より市民の力 キャリア合格の24歳
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120419-00000047-mai-soci

この男性は、2012年4月から
教育関連のNPO「Teach For Japan(ティーチフォージャパン)」の職員になり
生活保護世帯の多い学校に、ボランティアの学生教師を派遣する活動に携わるそうです。

もともと教育格差の問題に関心があり、中央官僚になって
トップダウンで国の教育を変えようと思っていたそうですが
2011年3月11日に東京で東日本大震災を体験。
その夜に支援団体をつくり
ついには、被災地にのべ10000人の学生ボランティアを送ったのです。
その活動をきっかけに、「トップダウンではなく、ボトムアップでも社会を変えられる」
と考え、省庁の面接に行かず、NPOの道を選んだとのこと。頼もしい限りです。

Teach For Japanといえば、折りしも4月10日に開催された
Teach For America の創設者Wendy Koppさんと
Teach For Japan代表の松田悠介さんの講演を
六本木アカデミーヒルズで聴いてきたところでした。

Teach For Americaは、AppleやGoogleをおさえて
2010年全米文系大学生就職希望ランキング1位となったNPOです。
http://teachforjapan.org/wordpress/wendy_acadrmy/

Teach For Japan代表の松田悠介さんとは
NPOアスイクを宮城県仙台市で立ち上げた大橋雄介さんの講演で
お姿を拝見しておりました。
大橋さんも、松田さんとほぼ同世代の方です。
http://asuiku.sendai-net.com/?p=11

松田さんは、「教育界の松岡修造」という異名をとると言われる通り(笑)
教育改革に関する熱い語りが印象的。
松田さんも大橋さんも、新卒でNPOを立ち上げたわけではなく
民間企業や教育界での経験を積んだ上での起業です。

経済広報センターが2011年11月から12月にかけておこなった
調査「第11回企業の広報活動に関する意識実態調査」では
企業の、NPOに対する認識が変わっているという結果が出ており
企業がNPOを「社会貢献活動をおこなうパートナー」ととらえる割合が
急激に増えてきています。
具体的には、2005年に45.9%、2008年に46.8%だったのが
2011年には88.3%と急増しています。
http://www.kkc.or.jp/report/

先日の日経MJでも
自社の社会貢献活動のパートナーとしてNPOをとらえる企業が増えており
それだけの能力のあるNPOヘの問合せが増えているという記事がありました。

このような、社会のNPOに対する認識の変化や
NPOを起業する若者の台頭を嬉しく思うと同時に
「若者は元気でいいねえ・・」などと達観して眺めるでなく(笑)、自分自身も
日本でNPOが今以上に活躍していくために、少しでも尽力する必要があると
身を引き締めている次第です。


コラムニスト:井出 留美

office 3.11代表

井出留美オフィシャルブログ http://iderumi.com/
Twitter of Dr. Rumi Ide, Ph.D. : http://twitter.com/rumiide
office 3.11 http://www.office311.jp/

本ページはプロモーションが含まれています。