一人広報の達人イデルミのコラム

話題の美容成分:ハチ毒・ヘビ毒・アルガトリウム


昨年あたりから、カタツムリのエキスを使ったコスメが流行っています。
カタツムリのみならず、ミドリムシやナマコのコスメも出てきました。
いわゆる「多様性生物コスメ」と言われるものですね。
ミドリムシに関しては、食品分野での応用も進んでおり、
クッキーなどの菓子類やジュース、麺などの加工食品に使われています。

そんな中、ハチ毒とヘビ毒を使ったフェイシャルマスクが発売されたと
日経MJ(日経流通新聞)の新製品コーナーで紹介されており、
早速、見つけて購入し、使ってみました。

ハチ毒に関しては、ハチミツのイメージがあるからか、さほど違和感なく使えました。
ヘビ毒は、さすがに語感もパッケージのイメージもインパクトがあり、
先入観かもしれませんが、ヘビのエキスの香りがするような気も・・・(笑)
すこーし、怖い感じがありました。

日経MJ(日経流通新聞)4月16日付16面では
「アルガトリウム」という美容成分が特集されています。
魚油から精製されたもので、サプリメントや化粧品に配合されてきているとのこと。

前職で食品メーカーの広報職に就いていたこと、
また大学卒業後に日用品メーカーの研究職として
100名の皮膚老化のデータを研究していたこともあり、
職業柄、新しい食品や美容成分には着目し、モニターするようにしています。

前職の食品メーカーでは、玄米や小麦ふすまを摂取した際の
肌と腸内環境の変化について、臨床試験を行いました。
その結果を修士論文と博士論文にまとめ、プレスリリースで発表し、
全国放送のテレビや全国紙(新聞)に取り上げて頂きました。

食品業界で仕事をする人間として、流行りすたりは把握しておきたいものの、
個人として考えたとき、また長い年月のスパンでものごとを見たとき、
流行りの美容成分が出るたびに踊らされるのはどうなのだろうか、
と思う気持ちがあります。

かつてコエンザイムQ10(キューテン)が流行った時期がありました。
メディアで報道され、盛り上がり、特集記事が組まれ、
店頭にはそれを使った商品がたくさん並びました。
ほどなくして、コエンザイムQ10の過剰摂取が
動脈硬化をもたらす可能性が報道され、ブームがおさまりました。

また、その後、大豆イソフラボンが流行った時期もありましたが、
しばらくして、イソフラボンのみを過剰摂取すると、
女性ホルモンのバランスがくずれてしまい、副作用が起きる可能性が報道され、
大豆イソフラボンの過剰摂取について、厚生労働省から通知が出されたこともあります。

これは、何も、コエンザイムQ10や大豆イソフラボンが悪いわけではありません。
どんなに素晴らしい成分であっても、過剰摂取すれば
副作用が起こるのは自然の摂理です。
調味料ですら、摂り過ぎれば死に至ります。
過剰摂取の害が問われたのは、その成分の良さばかりが強調され、
必要以上に大量に摂る人が出てきたから、
その風潮に釘を刺すというのもあったでしょう。

前職のグローバル企業では、
「(人類の)食経験の短いものは、成分として製品には採用しない」
という方針がありました。

これまでの人類が食べてきた経験が長ければ長いほど、
その安全性は証明されますが、いま流行ったばかりの成分ですと、
人が食した経験が浅過ぎて、安全なのかどうなのかがわからない要素も否めません。
新しい成分を唄ったほうが、珍しいし、人を惹きつける強いキャッチになるし、
売上には繋がるかもしれませんが、本当に消費者の健康を考えたとき、
どちらが親切なのかな、と思います。

新しいものにチャレンジする好奇心を持つと同時に、
物事を冷静に客観視する目を持つことも必要と思っています。
特に、口に入れるものは、人の命に関わりますので、慎重さも必要です。

企業側が、新しい成分を、一般消費者の方に向けてコミュニケーションする際には、
一般の方の購買欲をあおるようなやり方ではなく、あくまで、
三大栄養素やビタミン・ミネラルをきちんと摂取した上での使用を勧めて頂きたい、
と思っています。

基本的な栄養成分すら摂っていないのに、
流行りの成分だけをとるやり方は、心身の健康にとって、
本末転倒だからです。

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コラムニスト:井出 留美

office 3.11代表

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