一人広報の達人イデルミのコラム

美肌になる秘訣 ~モデルとOLの美に対する意識と行動の違い~


小泉今日子さんと中井貴一さんがダブル主演しているフジテレビのドラマ
「最後から二番目の恋」が話題になっています。

前回の第四話では、美人脚本家、栗山ハルカの役で、モデルの益若つばささんが登場。
45歳独身女性の主人公、千明(小泉今日子さん)が持っていないものを
すべて持っている、若くて美しい女性。

この栗山ハルカが、40代独身女性3名の飲み会ー千明とその友人である
荒木啓子(森口博子さん)、水野祥子(渡辺真起子さん)のところにやって来て、
彼女たちを嫌みったらしく攻めまくり。
「せつないオーラ出てますよね」「なんでそんなイタいネタ持ってるんですかぁ?」
「私、結婚してますし、子どももいますし」「だから、こういう方たちの気持ちが、
ぜんっぜん、わからないので、こうやって、ここに(取材に)来てるんじゃないですかぁ~」・・・
この「栗山ハルカ」さんは、自然体で言ってるのか意図的なのかはわからないですけど、
客観的に見ててもむちゃくちゃイラつくセリフですね(笑)

益若つばささんは、かつて「経済効果100億円」とも評されたほどのカリスマモデル。
彼女が着た洋服やブログで紹介した商品、プロデュースした製品の販売が
急激に伸びる現象が起き、一時期は、すぐに完売してしまうものもあったようです。

美しく綺麗でスタイルの良いモデルさんは、どの年代の女性にとっても憧れの的。
ここ数年は、小学生が雑誌のモデルさんの真似をしてダイエットをするなど、
若年女性の行き過ぎた痩せ願望が問題になり、
毎年、国民健康・栄養調査をおこなっている厚生労働省も警鐘を鳴らしています。

1月31日、最新の調査である平成22年(2010年)国民健康・栄養調査の結果概要が
厚生労働省から発表されました。
その結果を見ると、20代女性の「痩せ」(肥満指数BMI*が18.5未満)の割合が、
過去最高の29.0%にも及んでおり、深刻な状況です。
*BMI=体重kg÷(身長m×身長m)

前職で、このモデルさんをテーマにした調査を企画しておこない、
プレスリリースを配信したことがあります。
平均年齢22.6歳のプロモデル105名にアンケート調査を行い、
美意識や生活習慣について伺いました。

モデルが最も気をつけているのは「肌の美しさ」(85.7%)でした。
では、肌の美しさをつくるために、モデルさんは何をしているでしょう?
当時の同僚たちと結果が出る前に話していて、
「どうせ高い化粧品とか使ってるんでしょ」「エステ通ったりしてさ」など、
やっかみと妬みが入り交じった(苦笑)仮説を立てて、結果を集計したところ、びっくり。

仮説に反して、なんと1位は「睡眠時間をたっぷりとる」(70.5%)でした。
2位は「ビタミン・ミネラル等の栄養バランスを考えた食生活をする」(61.0%)
3位は「便秘にならないようにする」(51.4%)と、生活習慣に関する回答が続きました。

美のプロフェッショナルであるモデルは、
外面から手っ取り早く綺麗になろうとするのではなく、
内面から美しくなろうと努力を重ねていたわけです。

その翌年、今度は一般の働く女性とモデルとを比較してみようということで、
一般の働く女性558名に、同じような質問を問いかけました。
その結果、気をつけているのはモデル同様「肌の美しさ」だったのですが、
「美しい肌をつくるために心がけていることは何ですか」の問いで、
モデルと一般女性とで差がはっきりと見られました。

モデルの「美肌のために心がけている」1位は「睡眠」だったのは前述の通りですが、
一般女性の1位は「化粧品に気を使う」でした(74.6%)。
睡眠に気を使う、栄養バランスに気をつける、ストレスをためない、朝食をとる、
穀類・果物・野菜中心の食生活にする、お菓子など甘いものを食べないようにする・・
といった項目では、いずれもプロモデルの回答数が、一般女性を上回りました。

一般女性は、外側から手っ取り早くキレイになろうとする傾向があり、
プロモデルは内面の生活習慣を整えることで、
内側からの揺るがない美を目指している傾向が示唆されました。

モデルがとっている対策は、栄養学的に見ても納得の結果です。
皮膚は、人間が体内に取り込んだ栄養素からつくられます。
眠っている間に分泌される成長ホルモンは、荒れた肌を修復したり、
要らない脂肪を分解したりする役目がありますが、
満腹状態で寝てしまうと成長ホルモンが分泌されにくくなります。

ですから、「眠る前3時間は何も飲み食いしない」「質の良い睡眠をとる」
「三大栄養素だけでなく、ビタミン・ミネラル・食物繊維もバランス良くとる」といった、
真面目で地味で地道な生活習慣を整えることこそ、美肌を目指す早道だからです。

実際、女性誌の撮影でさまざまなモデルさんたちとご一緒させて頂いた際、
たとえば「油は酸化したものは絶対とらない。スーパーの売れ残りの揚げ物は買わない。
新鮮な油を使い、自分で調理して摂る」など、食にも生活習慣にもこだわり、
それをしっかりと実践する姿勢と心意気が伝わってきました。

女性の場合、「健康になりましょう」という呼びかけより、
「美しくなりましょう」「美容」といったキーワードを使った呼びかけの方が、
よりモチベーションが上がるという結果が出ており、
結果的にそれが「健康」に繋がると予測されます。

1月28日、福岡県の福岡国際会議場で
フードバンクシンポジウムのファシリテーターをつとめた後、
香川県高松市に向かい、1月29日、香川県後援の香川県県民公開講座で、
このモデル調査のお話も講演の中でさせて頂きました。

前職時代から、多い年で年間42回ほど講演や授業をしてきた中で、
多くの方にこの結果をお伝えしてきました。
たとえば、服部栄養専門学校や品川女子学院などの学生さんや、
横浜市教育委員会や学校保健会、PTAなどの教育者や親御さんたち、
日本発育発達学会や日本栄養改善学会の学会関係など。

「この話、使わせて下さい」という大学教授や中学校・高等学校の
教員の方からのお声を頂戴してきました。
女子中高生や女子大生などを相手にしている先生方にとって、
間違ったダイエットをどのように自発的にやめさせて、
どうやって健康な生活習慣へのモチベーションを上げるかは、大きな課題となっています。

コミュニケーションをとる上で、重要となるのは、行動変容です。
相手の行動を無理に変えさせるわけにはいきません。
相手の方が、こころから納得しないと、その人の行動は変わらないし、続かないものです。
そのためには、やる気の起こるもの、モチベーションに火をつける何かが必要です。
それが何なのかを見つけ出すことで、今とっているコミュニケーションが、
より、実りあるものに変わっていく可能性があります。


フジテレビ 「最後から二番目の恋」

益若つばさ 公式ウェブサイト

厚生労働省 平成22年 国民健康・栄養調査結果の概要

(平成22年国民健康・栄養調査結果概要)体型・食生活・運動に関する状況

BMI(肥満指数・体格指数)自動計算方法

20-30代女性が美のお手本とするモデルたちの美しさの秘密は「エステ」よりも「食生活」

働く女性は美肌づくりに関心が高い ただしOL とプロモデルでは意識に違いあり

コラムニスト:井出 留美

office 3.11代表

井出留美オフィシャルブログ http://iderumi.com/
Twitter of Dr. Rumi Ide, Ph.D. : http://twitter.com/rumiide
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