スポーツ科学でみる

歩くのが遅いと寿命が短い


テレビでも勧められることが多いウォーキング。
運動効率を上げるために歩くスピードを上げましょうと言われますが、
自然と歩くスピードが速ければ長生きもできそうです。

歩行速度と生存率
65歳以上(平均73.5歳)の男女34,485人に普段のペースで、
4~6mの距離を歩いてもらい、速度を測定。
平均して12.2年追跡調査を行なった9つの研究を更に分析したものが、
ピッツバーク大学医学部チームから2011年1月8日に発表されました
Gait Speed and Survival in Older Adults   

期間中17,528人が死亡しましたが、
65歳以上で平均時速3.3Km(秒速0.92m)以上で歩く人は
長生きできることがわかりました。

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更に75~84歳女性の10年生存率は全体で54%。
歩行速度が毎秒0.4m(時速1.4km)未満のグループだと
生存率が35%に下がり、歩行速度が毎秒1.4m(時速5km)
以上のグループだと92%に生存率が上がりました。

遅く歩く人の生存率は下がり、速く歩く人の生存率は上がります。

同様に75~84歳の男性の10年生存率を推計。全体の生存率は36%。
歩行速度が毎秒0.4m(時速1.4km)未満グループだと生存率は15%。
歩行速度が毎秒1.4m(時速5km)以上のグループだと生存率は50%
の生存率に上がりました。

「速く歩けない原因」があると「長生きできない」
この研究チームは
「ベストな歩く速度は身体自身が選んでいる。
歩くのを速くしたからといって、寿命が延びるのではない。」
とコメントしています。

体内の複雑な機能が滑らかに動かないと歩くことはできません。
ちょっとした体調の悪化が歩くスピードの低下に結びつき、
結果的に寿命が短くなるのでしょう。
歩くスピードは健康を測るバロメーターになりそうです。

速く歩ける身体は健康な身体
街中を歩いている人の平均時速は4~5km。
生存率が格段に上がる歩くスピードは時速5km。
自然と人の流れより速く歩けるようだったら、
長生きできる可能性が拡がります。
コラムニスト:柴田 明

フィジカルトレーナー

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