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フェルメールとマーケティング考


生涯を通じて30数点しか作品を残さなかったと言われているフェルメール。
日本では近年大人気ですが、その作品が一挙に3作品も見られることになりました。
もちろん昔からファンのわたしもドキドキ。

実は「真珠の耳飾りの少女」は3度目です。一度目は大昔に大阪で。
そして二度目はオランダででした。友人らは「二回見たならもういいでしょ」
と言いますが、なんのなんの。好きなものは何回だって見たいものです。
このあたり、好きな人とはず〜〜っと一緒にいたいという気持ちと同じです。
しかも今回は初となる「ディアナとニンフたち」に加えて、こちらは2度目となる
「真珠の首飾りの少女」にも会えるのです。
ワクワクしながら上野に出かけました。

土曜日の11時に着いたのですが。。。。。なんと既に50分待ち。
覚悟はしていましたがやはり立ちっぱなしは辛い!
そしてやっと絵の近くに来た! と思ったら、絵の前にいられたのは1秒!
「止まらないでください、止まらないでください」の声に押されて。。。
少し後方からなら長時間見られたので、まあよかったのですが。。。
当然ながら、マウリッツ美術館で一人でず〜〜〜っと見られたのとは大違いでした。

そして次は「真珠の首飾りの少女」です。
最初の美術館からは徒歩3〜4分。ここでも行列を覚悟していたのですが。。。
なんと行列はなし。しかも絵の前には10人ほどしかいないのです。

確かに「耳飾り」の少女は有名です。でも、「首飾り」だって名品です。
もしもこの作品が単体で来ていたら、「長蛇の列」だったのかもしれません。

連れと話しました。
「これって、マーケティングの差?」
「耳飾り」は地下鉄をはじめ、たくさんの場所で広告していました。
会場内も待ち時間をくたびれさせないための工夫がたくさんありました。
表示や光源もとてもいい案配でした。

つまり、「マーケティング」がハイレベルで徹底されていたのです。

でも、「首飾り」はほとんど広告を見かけませんでしたし、会場の表示も
見にくくて、なんだかな〜〜という印象。
せっかくの名画なのに。。。

同じ「上野」にあるのなら、共同戦線もあったはずなのに。。。

そこで気づいたのが「VS」問題? 
「耳飾り」の主催者は東京都美術館、朝日新聞、フジテレビなど。
「首飾り」のほうは、国立西洋美術館、読売新聞、TBSなど。

なんだかな〜〜〜という感じです。せっかく名画が歩いて数分の会場に、
しかもかなり重複する期間にくるのですから、共同戦線をはって工夫を凝らせば、
来場者数は互いにもっと延びるはずなのに。。。


素晴らしい名画を見られて満足でしたが、
とっても「日本的」な印象を残したフェルメール展でした。
コラムニスト:うまごえ 尚子

株式会社アスラン 代表取締役

西野努オフィシャルサイト:http://www.tsutomu-nishino.com/
アスランHP:http://www.aslan.jp.net/

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