巨匠：小津もうらやんだ夭逝の天才監督が遺した、歴史的作品。

編集長、本当にすみません！
3ヶ月も原稿にアナ開けてしまいました...。

ということで、
今年も大変お世話にまりましたまた来年もよろしくお願いします
あけましておめでとうございます東京もめっきり寒くなって
あら初雪だインフルエンザ流行ってるようなのでお気をつけ下さい
記録的な豪雪大変だ何だか旧に春のように暖かいですねえ
うわ昨日にくらべて超寒い何だこの強風は？黄砂＋PM2.5?ああ煙霧っていうの
サクラサクどこよりも早い東大京大全国合格校ランキング！

...一気に年末からこれまでのご挨拶をまとめさせていただき恐縮です。
本原稿は年末放映作品に触れておりますが、
これから気持ちを入れ替え、毎週追いかけて頑張りますので
何卒ご贔屓にしていただけますようお願い申し上げます。

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【観ずシネVol.44】


『丹下左膳餘話 百萬両の壷』(1935年/日/監督：山中貞雄）
★12/12(水) 21:00～22:45 NHK BSプレミアム

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その類稀なる映画作家としての才能で将来を嘱望されながら、
わずか28歳の若さで戦地の中国で病死した天才監督：山中貞雄。

彼が遺した映画は、映画界の失ったものの大きさと
ひとりの人間としての儚い運命とはうらはらに、
映画本来の輝きに溢れ、観る者を心の底から楽しませてくれるものばかり。

現存するフィルムは、全26本中たったの3本と少ないのですが
それでも僕たちはこの『丹下左膳余話 百萬両の壺』を観られる幸運に
感謝しなければならないのかも知れません。

今から80年近く前に作られたとは思えない、
プロットの面白さ、キャラクター造形の見事さ、魅力的なキャスティング。
時代劇にもかかわらず西洋クラシック音楽を使うなどの洗練された手法etc.

この傑作コメディを語る言葉は枚挙に暇がないのですが、
どんなに言葉を尽くしてみても
やっぱり「とにかく観てね♪」としか言いようがありません。

キャストはどれも魅力的。
主演の丹下左膳＝大河内傳次郎はもちろんですが、
とりわけ左膳が居候をしている矢場の女主人：櫛巻きお藤を演じる喜代三！
さすがホンモノの芸者さん出身だけあって、雰囲気が違う貫禄が違う度量が違う。
何度観ても惚れ惚れしてしまう佇まいなのです。

戦後、GHQによる検閲でチャンバラの場面などが削除されたという話もあり、
確かに現存するフィルムではクライマックスが唐突だったりはします。
（※2004年にそのチャンバラシーンのフィルムが無声で見つかったとも。
サイレントでもいいから、これを入れ込んだのが見てみたい！！）

しかし、それを差し引いても十分楽しめる傑作娯楽時代劇。
是非みなさんも、現存する残りの2本、
『河内山宗俊』『人情紙風船』と併せて楽しんで頂けたらと思います。


山中貞男は出征中、手記に
「紙風船が遺作とはチト、サビシイ、
友人、知人には、いい映画をこさえてください」と書き遺しました。
人を楽しませることを天命にした才能溢れる若者の命を、
いともたやすく奪ってしまう戦争。
憲法改正だ国防軍だと勇ましい没後75年の現政権を眺め、
天国の山中貞雄は何を思う？

（おしまい）

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【今週の"観ずに死ねるか！シネマ"】

『12人の優しい日本人』(1991年/日）
★3/17(日) 15:00～17:05 NHK BSプレミアム

2009年に裁判員制度が施行される19年前。
三谷幸喜が、主宰する東京サンシャインボーイズのために書き下ろした舞台劇。
それを『櫻の園』の中原俊監督が翌1991年に映画化したのがこれ。
裁判員制度が始まって早4年。
今の視点から再見するのも、逆に新鮮かもしれません。
これは観ないと判決、じゃなくて判断できない！