観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~

スティング』も『ユージュアル・サスペクツ』もブッ飛ぶドンデン返し!~『テキサスの五人の仲間』


あっと驚くどんでん返し。
一度これに出逢ってしまうと、もうミステリやサスペンス映画の虜になってしまうもの。
その驚きを求めて、古今東西いくつの映画を観たことか...。
今回は、全財産をかけたハラハラドキドキのポーカーゲームという
とっても珍しいワンシチュエーションの西部劇、
そして最高のミステリ(?)映画をご紹介します♪

*  *  *  *  *

【観ずシネVol.29】

『テキサスの五人の仲間』(1966年/米/監督:フィルダー・クック)
★5/16(水) 13:00~14:38 NHK BSプレミアム

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娘の結婚式も、大事な仕事も放り出し、
周囲の人間が止めるのも聞かずに馬車を疾走させて町に集結する男たち。
映画はそんなただならぬ雰囲気で一気にスタートします。

男たちがそれほどまでに固執したのは、何とポーカーゲーム。
ゲームといってもそんじょそこらのゲームとは違います。
何が違うって、賭けるお金の額が違う。ハンパない。
そりゃ娘の結婚式も仕事も途中で放り出すわけだ。
(仕事はまだしも、結婚式は日程ずらせばいいじゃん?
という突っ込みは野暮ですよ^^)

年に一度の大勝負の舞台となった町のホテル。
奥の部屋で繰り広げられるゲームの行方を、町中の人間が注目している、
そんなところに。
旅の途中の善良そうな親子連れが、一晩の寝床を求めて立ち寄ります。

ところが、一見真面目一本槍に見える父親が、
こと賭け事になると我を見失ってしまうポーカー中毒だったのです。
しかも、大して強くもない、いやはっきりいって弱い賭け事師。
家族の生活を守るため、母親と息子との厳重な約束で
賭け事を封印していた父親。
しかし、目の前で繰り広げられる大勝負を見ているうちに悪い虫が...。

はい。これから先は申しません。申せられません。
是非ともこの超一級の娯楽作品をお楽しみ下さい!

(おしまい)

...ってわけにもいきませんので(^^;)
ストーリー以外のネタをしばし。

まず、キャスティング。
主役は名優ヘンリー・フォンダです。
性格俳優として富に名高い彼ですが、サスペンス作品としては
かの名作法廷劇『十二人の怒れる男』が有名ですね。
とある殺人事件で逮捕された黒人少年の有罪(決まれば死刑)or 無罪を決める
陪審員室での白熱した議論。
ひとつの部屋だけが舞台で、アクションは議論のみ。
そんなミニマムな舞台装置で、マックスの興奮を味あわせてくれる、
名匠シドニー・ルメット監督による紛れもない名画です。
裁判員制度が導入された今の日本だと、
昔よりもっと面白く観ることが出来るかもしれません。

この『十二人の怒れる男』でヘンリー・フォンダが演じたのも、
ルックスにぴったりの善良なアメリカ市民でした。
真面目なパブリックイメージが、『テキサスの五人の仲間』に於ける
いいひとなのに賭け事にだけは目がない、という役柄にピッタリ。

奥さん役のジョアン・ウッドアードは
あのポール・ニューマンの奥様で、今も存命中(82歳)。
自らもアカデミー主演女優賞を獲得し、名前入りの星(☆)を歩道に刻む
「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に最初に認定された大女優です。
彼女が、しっかり家族を守る良妻を演じていてヘンリー・フォンダといいコンビ。

その他の脇役陣も、それぞれのキャラにぴったりで、
このツボを押さえたキャスティングが、この映画の成功の最大のポイントです。

監督のフィルダー・クックは、日本での公開作が少なく
アメリカでもテレビ映画の仕事が多かったせいか
この『テキサスの五人の仲間』が突出して有名です。
しかし、本作でも自らの製作プロダクションで撮っていたりするので
堅実な映画人だったのでしょう。
狭い一部屋を、見事ハラハラドキドキの舞台装置へと仕立てていきます。

前情報は、こんなところで十分。
何か面白い映画ないかなあ?
そんな時は迷わずこの『テキサスの五人の仲間』をお選び下さい♪
『スティング』にも『ユージュアル・サスペクツ』にも勝るとも劣らない、
小気味良い興奮をお約束致します!

(ホントのおしまい)

*  *  *  *  *
 
【今週の"観ずに死ねるか!シネマ"】

『ブラッド・ダイヤモンド』(2006年/米)
★6/2(土) 14:00~16:00 BS 日テレ

近年のディカプリオのベスト作。
それがこの『ブラッド・ダイヤモンド』だと断言しましょう!
内戦に荒れるアフリカはシエラレオネを舞台に、
巨大なピンク・ダイヤモンドを巡って
ダイヤの密売人、家族が引き裂かれた猟師、美人ジャーナリストの3人が絡む
サスペンス・アクション巨編。
単なる娯楽作の粋に留まらない、社会派の香りも漂う骨太な映画作りは
正にダイヤモンドのような仕上がり。必見の1本です!
コラムニスト:助川 仁

ビクターエンタテインメント株式会社 編成管理チーム長 兼 KOKIAディレクター

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