観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~

インディ・ジョーンズのヒロイン、カレン・アレンとニットの関係。


今日10月31日は、ハロウィン。
みなさんがお通いのジムでも、仮装をしなきゃいけなかったりしませんでしたか?
スーパーマン、スパイダーマン、ファンタスティック4、キャプテン・アメリカetc.
アメコミ・スーパーヒーローからしてコスプレ文化満載のアメリカと違って
まだまだ仮装に馴染めない純・日本人は僕だけでしょうか?
あれ、おじさんには恥ずかしいんだよなあ。

さて。ハロウィンと言えば、映画ファンにとっては
ジョン・カーペンター監督の歴史的傑作ホラー『ハロウィン』。
『13日の金曜日』のジェイソン、『エルム街の悪夢』のフレディに次ぐ
ホラー界3大キャラの一人、ブギーマンが出てくる、あれです。

しかしながら、カーペンター作品には他にもいろいろお薦めがあるんです。
特に、公開当時は近未来だった1997年の暴徒化したNYを舞台に、
特命を受けた凶悪犯たちが誘拐された大統領を奪回する
スリリングなSFサスペンス・アクション『ニューヨーク1997』は
何度観ても面白い"発掘良品"(by TSUTAYA)です。

先週は、そんなジョン・カーペンター監督作品の中でも
意外と知られていない?1本が放映されました。これがなかなかイイんです。

*  *  *  *  *

【観ずシネVol.2】

『スターマン-愛・宇宙はるかに-』 (1984/米/監督:ジョン・カーペンター)
★10月25日(火)深夜1:50~4:00 フジテレビ

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ボイジャーのゴールデンレコード (Voyager Golden Record)ってご存知ですか?
1977年に打ち上げられたボイジャー宇宙探査機に搭載されたレコード盤の事です。
このレコードには、地球の生命や文化の存在を伝える音や画像が納められ、
地球外知的生命体=宇宙人が見つけて解読してくれる願いが込められています。
探査の役割を終えて太陽系を離れ、二度と戻らない永遠の旅を続けるボイジャーは、
今でも遠い宇宙のどこかで独り、旅を続けています。
奇跡の帰還を果たした<はやぶさ>とはまた違った、宇宙科学のロマンを乗せて...。

映画はそのボイジャーが、遂にある惑星に到達するところから始まります。
人知を遥かに超えた高い文明を持つその星から、
一機の宇宙船が地球に向けて旅立ったその頃。

地球では、一人の女性が部屋でプライベートの8ミリ映像を観ています。
スクリーンに映るのは、旦那さんとの楽しそうな様子。
でも、女性はワインをあおるように飲んでいて、その瞳には涙が。
どうやら何か悲しい訳がありそうです。

一方、宇宙船は超光速で地球に辿り着くも、着陸に失敗。
未確認飛行物体を追う軍・警察の追っ手を逃れるために、
謎の生命体がとった手立てとは?

【※以下、導入部分のみ、ちょいネタバレ。】

女性の家に逃げ込んだ生命体は、遺伝子を読み込む特殊な性質によって
何とその家のご主人にカムフラージュしてしまうのです。
遺伝子情報は、アルバムに貼られた髪の毛の束から。

ご主人はどうやら不慮の事故で亡くなったらしく、
先の悲しみに暮れる女性は、その奥さんだったのです。
亡くなったはずの夫そっくりの謎の人物が目の前に。
混乱のまま彼女は、宇宙人(スターマン)の逃避行に巻き込まれていきます。

SF仕立ての設定は、いつしかロードムービーの様相を呈し、
「さよならさえ言えずに死別してしまった」女性の心残りと
地球からの<招待>に応えて遠い宇宙を旅してきたスターマンの優しい知性が
切なく紡がれていく異色のSFファンタジーです。

主演のジェフ・ブリッジスは、この作品で
●サターン・アウォーズ最優秀主演男優賞受賞
●アカデミー賞主演男優賞ノミネート
●ゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞ノミネート
という意外にも高い評価。
実はホラー/SFの奇才ジョン・カーペンター監督の隠れた佳作なんですね。
見逃した方は是非レンタル店で探してみて下さい。

さて、この映画のもう一人の主演。未亡人役を演じたカレン・アレン。
『レイダース/失われたアーク』でヒロインを演じたあの女優さんです。
大きな目と口、そしてそばかすが印象的で、決して美人とは言えないけれど
お酒がめっぽう強くて、男勝りの勝気な性格ながら、時折可愛さも滲み出て、
いわば<元祖ツンデレ>みたいなキャラ。
こういう、変に女性らしさを武器にしない、さっぱりした性格の女の子に
実は世の男子諸君は弱かったりします。

だから続く『魔宮の伝説』でのケイト・キャプショー(後のスピルバーグ夫人)、
『最後の聖戦』のアリソン・ドゥーディーもいいんですけど、
カレン・アレン演じるマリオンが続編に登場しなかったのが
ちょっと残念だった男子ファンも多かったのでは?

まさかの新作『クリスタルスカルの王国』でのカレン・アレンとの再会は
そういう意味でも中々感慨深いものがありました。
もちろんおばちゃんになっちゃったけど、
チャーミングな茶目っ気は変わってなくて、嬉しかったなあ。

現在彼女は女優業の他にも、
長年のニット制作とデザインの経験を活かし、Karen Allen Fiber Artsという、
ハンドメイドのカシミア製ニットウェアのブランドも経営しているようです。
古代から伝承された紋様を盛り込んだデザインは、なかなか素敵ですよ。

サイトはこちらこちら

暖かいニットと、そばかす・茶目っ気のカレン・アレン。
これ、最強のほっこりコンビかも♪

(おしまい)

*  *  *  *  *

【今週の"観ずに死ねるか!シネマ"】

『スライディング・ドア』 (1997/英・米)
★11月3日(祝) 13:00~14:40 NHK BSプレミアム

地下鉄のドアが閉まった場合と閉まらなかった場合とで
主人公の運命がどう変わるかが並行して描かれるラブ・ストーリー。
主演は世界的ロック・バンド=コールドプレイのボーカル、
クリス・マーティンの奥方、グウィネス・パルトロー。
この運命の恋の行方は、観ずには死ねません!
コラムニスト:助川 仁

ビクターエンタテインメント株式会社 編成管理チーム長 兼 KOKIAディレクター

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