あの日の映画少年は今

祝! コラムスタート


みなさま、はじめまして。山岸謙太郎と申します。
年末のドサクサに紛れて登場です。
いきなりなんですが、来年もよろしくお願い致します。かしこ。

さて、通報される前に私が何者かというお話からしないといけません。
私はProjectYamakenという自主制作映画団体で監督兼リーダーをしています。
「自主制作映画ってなんだ?」と言う人も多いと思いますが、
簡単に言ってしまうと「自分達で勝手に作っている映画」です。

一般的に映画というのは興行であり、収入を得ることを前提に制作されます。
「この役者で、こういうストーリーなら沢山の人達が見てくれるだろう」とか
「この役者が出ればこれくらいの人数が観に来てくれるから、
そこから逆算した予算で撮ろう」という事を考えて
黒字になるように考えて制作されています。

例え監督の提案であっても「それじゃ売れないだろ」となれば
却下されてしまいます。あくまでもビジネスですから当然です。

一方、自主制作映画は趣味です。
ビジネスではないので黒字になることなど考える必要はありません。
自分達で集めたお金を使い好きな作品をやりたい放題作れます。

こんな風に言うと、お金儲けに縛られず
自由に作りたい作品を作っている芸術家のように感じるかもしれません。

そんなわけはありません。

「商業に捕らわれず自由な表現をしたい」
そう考えて自主制作映画を作られている
立派な方もいらっしゃると思いますが、私に関して言えば違います。
なぜなら私は商業映画の王様ハリウッド映画大好きっ子であり。
お客様に楽しんで頂けるなら悪魔にも魂を売る気満々だからです。

それに自主制作映画は言うほど自由ではありません。
時間やお金の問題があります。

映画でお金を稼げないので生活していくために別の仕事を持ったり、
バイトをしなければなりません。
撮影は1週間に2~3日がせいぜいです。
仕事の合間を見つけては映画制作に打ち込まなければなりません。

また映画制作というものには皆さんが思っている以上にお金がかかります。
撮影のために一軒家を10時間借りるだけで平均30万円はかかります。
そんなところにお金をかけられないので、
友人の家を借りたりして撮影するわけですが、
そこは友人の家なので監督のイメージに合わせて家具を変えられないし、
ものを勝手に動かしたら怒られてしまいます。

「洋館で殺人事件がおきた」と脚本に書いてあっても
貸してくれた友人の家が日本家屋だった場合、
仕方がないので脚本の方を「日本家屋で殺人事件がおきた」と
書き直さなければなりません。
テーブルがちゃぶ台になり、コーヒーカップが湯飲みになったりします。
何もかもお金さえあれば解決するのですが、
お金がないばっかりに監督の思うような表現が出来ないのです。

これのどこが自由な表現でしょうか。
金持ちの道楽ならばいざ知らず、私のような一般市民にとって
不自由で仕方のないのが自主制作映画です。

「だったら商業に行けばいいじゃないか」とおっしゃりますか奥さん。

えぇ、実はワタクシ、商業の方でも監督をしております。
劇場用商業映画監督としてはまだデビューしておりませんが
いわゆるVシネやWebドラマ、ミュージッククリップなどの監督としては
お仕事をさせて頂いております。
現在も某有名芸人さんと一緒に映画制作をさせて頂いております。

それでも自主制作映画はやめられないのです。
それは・・・自主制作映画が自由だからです。

「自主制作映画が不自由だ」と言った舌の根も乾かぬうちにコレです。
本当にすいません。

確かにお金も時間もない中で不自由は感じます。
しかし、表現としてはやはり自由なのです。
スポンサーやクライアントがいる分けではないので、
自分達の作りたいものを思い描けます。
お金や時間の問題は知恵と努力で解決します。
その知恵と努力が楽しいのです。

自分達の表現したいもののために知恵を出し合う。
お金を節約するために努力する。
そういったことを積み重ね自分達の思い描いた作品を
具現化していく過程は何にも代え難く楽しく、
そして完成した作品を見たとき、出産に値する達成感と感動を味わえるのです。

出産経験ありませんけど。これから先も。

長くなりましたが、ワタクシ山岸謙太郎とはそんな自主制作映画の監督であり、
自主制作映画チームProjectYamakenのリーダなのです。

今後、このコラムではそんな自主制作映画の
涙ぐましい裏側をお伝えしていければと思っています。
そしていつの日か、私が日の目を見てあわよくば有名な映画監督になったならば、
このコラムがサクセスストーリーとして書籍化され、
私は印税でお金に苦労することなく真の自主制作映画に着手できるというわけです。

そんな下心を引っさげてやって参りました。
改めまして来年もよろしくお願い致します。かしこ。

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コラムニスト:山岸 謙太郎

ProjectYamaken 映画監督

TwitterURL:http://twitter.com/yamaken77
ProjectYamaken公式サイト:http://projectyamaken.com

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