観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~

映画史上に残る大傑作『シャレード』で、真夏の夜を快適に♪


おしゃれでロマンティックなミステリ映画の金字塔!
オードリー・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ウォルター・マッソー、
ジョージ・ケネディ、ジェームズ・コバーン、
全員ハマり役の豪華キャストを見事に束ねた名匠スタンリー・ドーネンの至芸。
ジバンシーによる華麗な衣装も見所のこの名作、
見逃すと列車から転落するような恐ろしい事件に巻き込まれるかも!?

*  *  *  *  *

【観ずシネVol.34】

『シャレード』(1963年/米/監督:スタンリー・ドーネン)
★7/23(月) 21:00~22:56 NHK BSプレミアム

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おしゃれメガネ、おしゃれ坊主、おしゃれ居酒屋...
世の中にはいろんな「おしゃれ何とか」がありますが。

"おしゃれサスペンス"

世の中にそんなカテゴライズがあったら、間違いなくナンバーワン。
それがスタンリー・ドーネン監督/ケーリー・グラント&オードリー・ヘップバーン主演の
『シャレード』ではないでしょうか。

元来、ミステリ/サスペンスというのはSFなどと同様、
非常にジャンル性/趣味性の強いもの。
ややもするとマニアにはすこぶる面白くても、
その手のジャンルにあまり関心のない方にとっては、それほど食指の動かない場合も。

しかしながらこの『シャレード』は、
60年代かっこいい♪オードリーかわいい~♪ジバンシーの服おしゃれ~♪
ケーリー・グラントおじさまなのに素敵~♪パリに行きたいな~♪
などなど、ミステリ/サスペンスなど全く関係ない部分の吸引力がハンパなく、
それほどミステリ/サスペンス・ライクな人でなくともついつい引き込まれ、
結果としてミステリ/サスペンスの最高級ステーキを味わってしまう、という
とんでもない1本なのです。

もともとミュージカル畑のスタンリー・ドーネン。
何せかの「雨に唄えば」の監督ですから、娯楽映画の何たるかは当然熟知しています。

その彼が「俺ならヒッチコックよりももっと面白い映画が撮れる」と宣言し、
名脚本家にして強力なミステリ・マニアのピーター・ストーン
(超傑作『サブウェイ・パニック』やこれまた"おしゃれサスペンス"の
『料理長殿、ご用心』を手掛けています)、
映画音楽の巨匠:ヘンリー・マンシーニといった鉄板の布陣で臨んだ本作。
面白くないわけがありません。
宣言どおり、古今東西・老若男女、どんな人でも楽しめる名作となりました。

そんなオールマイティな映画でありながら、
ミステリ的な仕掛けも実に本格派。そこがすごい。エラい。
二転三転するハラハラドキドキの展開。周到・巧妙に張られた伏線。
そして、財宝の隠し場所をめぐるあまりにも有名なトリック。

ユーモアを完璧なバランスで配置して肩の力を抜いてくれる一方で、
ここまで見事にミステリ/サスペンス的要素を盛り込むとは!
大のヒッチコック・ファンである僕ですら、この映画に限っては
「ヒッチコックより面白い」というハッタリをある種認めざるを得ません。
ううんくやしい~!(><)←何でお前がくやしがる?

さて。あまり中身に触れるのは反則ですので、
ネタバレにならないところで僕の好きなシーンをひとつご紹介します。

それは、オードリー演じる離婚間際の有閑マダム=レジーナがパリの豪邸に戻り、
天井の高いお屋敷のクローゼットを次々と開けていく場面。

オードリーとカメラの動きが流麗で見事な短いシーンですが、
このシークエンスにはミュージカル演出家のドーネンの「音楽的映像演出の癖」
のようなものが滲み出ていて、僕は高校生ぐらいに初めて観た時から好きなんです。
「ああ、ヒッチコックをライバル視しながらも、
 自分のスタイルはちゃんと出ているところは、さすがだなあ」と。
この辺が、ヒッチコック・フェイバリットの僕にも、
この映画を素直に堪能できる所以なんだと思います。

さあ後はとにかく、映画本編を観ていただくとして。
この映画史上不滅の"おしゃれサスペンス"映画『シャレード』の
謎解きの最大のヒントは、「ジェスチャー・ゲーム」という意味のタイトルの形で
実は観る前からすでに万人に提示されているんですよ♪
これぞ究極のフェア精神だと、僕は拍手を贈ります。

東北地方も梅雨明けして、いよいよ夏本番!
よ~く冷えたシャンパンとオードブルを用意して、恋人同士で『シャレード』を観る。
暑い夏の夜を快適に過ごす、そんな"おしゃれお部屋デート"はいかが?
え?僕?僕は..."おしゃれステテコ"で我慢します...Orz

(おしまい)

*  *  *  *  *
 
【今週の"観ずに死ねるか!シネマ"】

『バックドラフト』(1991年/米)
★7/27(金) 深夜0:00~2:20 NHK BSプレミアム

いよいよ始まるロンドン五輪!
映画観てる場合じゃないって気もしますが、それじゃあコラムが成り立たない。
今週も頑張って観ます~♪
今回は王道です。ロン・ハワード監督も王道なら、カート・ラッセル!
ウィリアム・ボールドウィン!スコット・グレン!ジェニファー・ジェイソン・リー!
レベッカ・デモーネイ!ロバート・デ・ニーロ!ドナルド・サザーランド!
という超豪華な出演陣も王道。
アメリカでは最も尊敬される職業である消防士たちのドラマ。
放火サスペンスを絡めながら、兄弟愛・家族愛を描いた大ヒット作です。
素晴らしい演技?を見せる「炎」も主役の一人。
限界を超えた戦いで感動を与えてくれるという意味では
オリンピックのアスリート達にも通じる感動を与えてくれる市井のヒーロー物語、
90年代を代表する、この骨太な名作をお見逃しなく!
コラムニスト:助川 仁

ビクターエンタテインメント株式会社 編成管理チーム長 兼 KOKIAディレクター

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