箸道 ~食と生活とおいしい生き方~

料理に秘められた謎のメッセージ


おはようございます。
「箸道」と「サイコロジック」の牟田実(むたみのる)です(^。^)

9月もそろそろ終盤になるというのに、いつまでも暑い。
皆さん、お元気ですか?

暑い秋を乗り切るため、先日、おやつに「魚肉ソーセージ」をいただきました。
そうです。オレンジ色のフィルムに包まれ、両端を金具で留められている
あの「魚肉ソーセージ」です。
頭が良くなると言われるDHAも豊富に含まれるヘルシーフードです。
暑い秋を乗り切るには最高の食品。

恥ずかしながら私は、何ひとつ、人に自慢できるような能力や
特技は持ち合わせていません。
しかし、何かひとつ、どうしてもあげろといわれると
この魚肉ソーセージのフィルムはがしがありました。

私に言わせると、包丁やハサミを使うのは邪道!
・・・遠慮気味なモノ言いから、急に強気になってます。
魚肉ソーセージには、「歯では開けないでください」の注意書き。
でもオトコならそんな注意書きは関係ない!・・・ますます強気

それでは、、どのようにしてフィルムをはがすのか?
今回特別にお教えしましょう。
名付けて、「牟田(むた)式・魚肉ソーセージ開封術」

1.まずは魚肉ソーセージをしっかり眺め、歯をあてるポイントを確認します。
このポイントが少しでもずれるとうまくいかない。許容誤差は2~4mm。

2.ご存知の通り、ソーセージの両側は金具で留められています。
その金具のちょっと下、ちょうどソーセージ部分が
微妙にカーブしているところに狙いを定めます。

3.この部分に犬歯をあて、切り目をいれます。
これがずれると、金具に歯があたり、歯が欠ける危険性がある。
あるいは、あの留め金に舌がさわると微妙に金属特有のイヤな味がします。

4.次に切り目を入れたところから、歯でフィルムを挟みながら
つねるような感じて下に引きます。

すると、あーら不思議、バナナの皮のごとくツルンと剥けました。


あれ? 今日は何の話だったっけ。
あそうそう「料理に秘められたナゾのメッセージ」のことでした。


これから3枚の料理の写真をお見せします。
これは、実際に私がいただいたものです。
どれもおいしかったなあ。

そう、実はこの写真に写っている料理一品一品に
隠された料理人からのメッセージがあるのです。

●千鳥(チドリ)の謎

P5310422.jpg












これは、東京築地にある、日本料理屋さんでいただいたものです。
会席料理の前菜として出てきました。
皆さん、「懐石料理」と「会席料理」の違いは当然知ってますよね。
まあ、ご存知だとは思いますが、確認の意味で簡単に説明すると
「懐石料理」は、お茶の席で出される軽食、
「会席料理」はお酒を楽しむための料理です。

ちなみに、このように「当然知ってますよね」とか
「皆さんご存知の通り」とか「あらためて言うまでもありませんが」といわれると
質問しにくくなりますよね。
相手の質問を封じ込めるテクニックを、サイコロジック的(注)には
「誤前提暗示(ごぜんていあんじ)」と言います。
ちょっと、使わせていただきました。

さて、もう一度写真をよく見て下さい。
5月1日にこのお店にお邪魔しました。
真ん中にあるグリーンの包みは粽(ちまき)です。
5月5日は端午(たんご)の節句。
この日は菖蒲湯(しょうぶゆ)につかり、粽(ちまき)をいただくという習慣があります。
その季節を表しています。

つぎに、このお皿全体を見て下さい。
上方に千鳥がいますね。

気がつきましたか?

実は、料理全体の盛り付けが「池の風景」になっているんです。
見事ですよね。

(注):サイコロジックとはサイコロジー(心理学)とロジック(論理)を合わせた
現在世界中で注目されている理論


●シイタケがひっくり返ってる?

P1240151.jpg












東京の銀座にある料理屋さんでいただいたお椀です。
ふたを開けると、お吸い物の香りだけでなく、緑、黄、赤が目に入ってきます。
日本料理は、特に目でいただくといわれ、見た目もすごく重要です。

あれ? シイタケが裏返しになってる。配膳の途中でひっくり返ってしまったのでしょうか?

このお店に伺ったのは、1月の半ばでした。
裏返しになっているのは、この時期と関係があります。

さーて、なんでしょう。

皆さんのお宅でも、年末にお正月を迎えるための松飾りを用意しますよね。
そこに飾りとしてシダの葉をつけます。
シダの葉は、裏側が白いので、別名を「裏白(うらじろ)」といいます。

もうおわかりになりましたか? 

シイタケも裏が白いのであえて「裏白」にしてるんですね。
つまり、縁起物にしているのです。

なかなかにくいですね。
「いいねボタン」クリック!

さらに、梅の季節も近いので、ニンジンを梅にしてあります。
「いいねボタン」クリック!



●梅雨入りのメッセージ

P5310365.jpg












6月の初旬にいただいたお椀です。ちょうどその頃梅雨入りのニュースがありました。
このお椀には「梅雨入り」のメッセージが隠されています。

わかりますか?

「お椀だけにつゆ入り」

オイオイそれは、コラム仲間、夏川さんの漫才ネタ。
夏川さん、レベルが低くてごめんなさい。

ドーナッツ型の、周りが緑色の、名前を聞かれてもわからない
野菜風のものがあるのわかりますか。
これは、小メロンです。
メロンと言ってもフルーツのメロンではなく、どちらかというと瓜やキュウリに近いかな。

ドーナッツ型(ちくわ型といってもいいですね。
要は、真ん中に丸い穴があるもの)がポイントです。
実はこれ「蛇の目(ジャノメ)」を表しています。

『ジャノメというとミシン』
「社長、違いますよ。それにいまどきジャノメミシンといっても若い人知らないし・・・」
ますます夏川ワールドにはいってます。

夏川ワールドに浸りたい方は、こちらのコラムへどうぞ

ジャノメとは、和傘のことで、中央と端の方を濃い色の和紙、
その中間に白い和紙が貼られています。
ですから、傘を開くと蛇の目の模様が表れるので
ジャノメと言ったら、傘のことを指すわけです。

料理人さんや仲居さんは、いちいちこういったメッセージをお客さんに説明しません。
だって、知ったかぶりのおせっかいで偉そうな押し付けになるでしょ。

だから、もしメッセージを読み取ることができれば
「粋な客が来た」ということになるわけです。

正直言うと、私もわからなくて、いつもこれどういう意味?って聞いているんです。


じゃあ吉野家の牛丼のメッセージはどう読むの?

これは、わからなくてもしょうがないです。

だって、ショウガはお好みで、カウンターで自分で入れるでしょ。
たから 牛丼には「ショウガない」

失礼しました。暑い秋が少し涼しくなりましたでしょうか。


おー寒っ 一気に冬ですか。


最後までお読みいただきありがとうございます。
また、お会いしましょう。
コラムニスト:牟田 実

食と生活ラボ代表

食と生活ラボ代表 http://www.shoku-labo.com/
NPO法人日本箸道協会 副理事長兼事務局長 http://www.hashido.net/
Facebook: http://www.facebook.com/minoru.muta
m-muta@hashido.net

本ページはプロモーションが含まれています。