スポーツでエコ!

スコットランドのエコの背景


スコットランドの友人宅へ行ってきました。
グラスゴーの郊外にあるその場所は、携帯も圏外になるような場所です。
インターネットもありません。実はそこまではロンドンから車で行ったのですが、
見渡す限り道路の両側には緩やかな緑の丘がひろがり、顔の黒い羊が草を食んでいます。
その光景が延々と、延々と、車で数時間走っても続くのです。

そのうち不思議な感覚に気がつきました。
この快感は、ゆったりとした解放感はなんだろうと思い始めたのです。
そして気づいたことは日本との徹底的な違いでした。
「看板がない」という事実に愕然としたのです。
 
友人に聞くと、法律で景観を壊す看板等の設置は認められていないのだとか。
納得でした。これだけの美しい自然を守るには、
やはり「法的な措置」がなければならないのでしょうか。
もっとも友人らは、イングリッシュもスコティッシュも保守的で頑固だから、
看板なんて許さないだけなのさ、と笑っていましたが。
 
彼らは歩くことを好みます。
といっても日本人のように「目的」は持ちません。
日本人なら「何処どこへ行って、帰ってこよう」となりますが、
彼らは「ただ歩こう」となります。
車で出かけて靴を履き替え、適当な時間歩いたら、「さあ、帰ろう」となります。
語らいを、景色を楽しみながら、ただ歩くのです。
でも、そこにはもう一つ大きな違いがありました。
「フットパス」と呼ばれる遊歩道の整備が徹底しているのです。
英国全体に張り巡らされたフットパスは、時として個人の敷地内にも入り込むことがあり、
そこを歩くことを許されているのだとか。
なんとも優雅だなあと思いました。美しい自然はみんなで楽しむものなのだそうです。


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ゴミがほとんどないことにも驚きました。
日本なら遊歩道の両脇にはペットボトルとかお弁当がらが
散乱していることがよくありますが、私が歩いた数か所にはまったくありませんでした。
フットパスを使う人の人数からいったら信じられないほどです。
自然を大切にする意識の違いもあるのでしょうが、それに大きく貢献しているのは、
サイズが半端ではないゴミ箱が駐車場ごとに設置してあることかもしれません。
プラスチック、カン、ビンなどと細かく分けられた巨大なゴミ箱は
それ自体が色分けされていて、まずはゴミで溢れることはないでしょう。
そしてそのデカさゆえに、遠くからもハッキリと存在を主張していて、
「ココに捨てなさい! 他はダメ!」と命令しているような可笑しな威圧感までありました。
 

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エコは個人の意識がなければ始まらないし続きません。
でもそこには行政のパワーも必要です。
あらためてその関係を考えさせられたスコットランド訪問でした。

みなさま、どうぞよい年をお迎えください。
そして来年はもうちょっとエコを暮らしに取り入れて、
それを当たり前にすることを考えてみてください。

コラムニスト:うまごえ 尚子

株式会社アスラン 代表取締役

西野努オフィシャルサイト:http://www.tsutomu-nishino.com/
アスランHP:http://www.aslan.jp.net/

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