観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~

ロックとはストーンズの事である。以上!『ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト』


サントリーの新キャンペーン"ストーンズ・バー"は、
ザ・ローリング・ストーンズ結成50周年ともリンクする企画。
有名なベロのトレードマークをあしらった楽しいパッケージが盛り沢山です。
中でも目玉は何と1本50万円もする150本限定のウイスキー!(驚)
そんなお酒、緊張して飲めまへん...。
「それ以前にそもそも買えないっしょ、普通のサラリーマンには?」
という野暮は言いっこナシにして(^^;)
誰もが楽しめる素晴らしいストーンズ体験を、この映画で浴びる程味わいましょう!

*  *  *  *  *

【観ずシネVol.33】

『ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト』(2008年/米/監督:マーティン・スコセッシ))
★6/28(木) 深夜1:00~03:03 NHK BSプレミアム

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結成50年。
その名を知らない者はいないロック史上最高の現役バンド、ザ・ローリング・ストーンズ。

現メンバーの年齢は、2012年7月17日時点で、
ミック・ジャガー:68歳(7月26日が誕生日だから、もうすぐ69歳!)
キース・リチャーズ:68歳
ロン・ウッド:65歳
チャーリー・ワッツ:71歳!
平均年齢68歳、最年少メンバーが65歳って...どゆこと!?

半世紀の時代の変化をものともせず、その時代々々のトレンドを巧みに消化しながらも、
根底にあるブルーズ、ロックン・ロールをベースにした唯一無二の個性で
古今東西のロック・ファンを魅了してたストーンズ。
名曲の数々、正真正銘のロック・スターとしての佇まいと無数の"ロックな"エピソード。

フロントマンのミック・ジャガーと双璧をなすギターのキース・リチャーズですら、
「自分でもたまに、夢じゃないかと思うんだよな」
と言わしめる成功を納め、今も尚、現役バンドとして転がり続けるその様は、
バンド名の由来となったことわざ、

A rolling stone gathers no moss.(転がる石はコケむさない)

の米国解釈=
「いつも活動的に動き回っている人は持っている能力を錆び付かせることはない」
という意味を正に体現しています。
もっともこのことわざ、英国や日本では
「落ち着きなく動き回っているものには能力は身につかない」
という意味も持つらしく、69年に夭逝した初代リーダー=ブライアン・ジョーンズは
どっちの意味でつけたのかなあ?なんて知りたくなりますが。

さて、長い歴史を持つバンドですから、
新しく興味を持ったとして、どの時期の作品からから入れば良いのか?
これがなかなかの難問です。

一般的にその音楽性が確立した60年代中期から70年代いっぱいくらいまでが、
クリエイティブ面もフィジカル面も最も充実していた時期だと言えるでしょうが、
それとてゆうに10年以上の幅があります。
その間に発表された作品のどれもが、
音楽的には変化していてもストーンズ印は変わらない、というものですから
そうなると後はもう個人の好みでしかないのでは?というレベルのお話。
また、一連の作品だけを追いかけていても、
「現役バンドとしての凄さ」は実感できないかもしれません。

そこで登場するのがこの映画、
『ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト』です!

2006年にNYのビーコン・シアターで行われた慈善コンサートの模様を中心に、
要所々々で若き日のメンバーの様子をインサートし、
正に"今"に繋がるロックバンドとして切り取った本作。
ストーンズ・ファンはもちろん、
ベロマークだけ知っていて、実際には観たこと・聴いたことのなかった人にとっては
一番の入門編になるのではないでしょうか。
そう断言したくなるほど、見事なロック・ムービーになっていました。

とにかく、被写体の魅力がすべて!
ミック63歳、キース62歳、ロン59歳、チャーリー65歳。
とても当時の実年齢から想像出来ない、驚異的な躍動感をもったパフォーマンス。
特にミック・ジャガーの扇情的な体の動きは、
どんなに活きのいい若手バンドが束になってかかっても絶対敵いそうにないカッコ良さ!
そんな信じられないような光景、痺れるようなショットが終始展開され、
もう観ている途中から、ロックとは何か?答えはストーンズなんじゃないか?
そんなアホみたいな感想になっちゃいました。

もうこればっかりは、あといくら紙数を要しても、どんなに言葉を使っても表せません。
試しに、洋楽もストーンズもあまりよく知らない人に、この映画を観せたとしたら。
その人はいっぺんにロックが好きになり、
どのアルバムを先に聴くよりもストーンズの虜になるんじゃないか?
そんな問答無用、黄門さまの印籠×69個分(つまりロックね。遠ぉ~。)
の破壊力のある映画。
正直、そこそこカッコイイものだろうとは思ってたけど、
ここまでカッコイイとは思いませんでした。観てよかった...。

なにせ映画界の重鎮:マーティン・スコセッシ監督ですら翻弄する怪物ストーンズ。
1曲目なんて、始まる瞬間までわかりません(正確に言うと、教えてもらえない^^;)
つまり、メインのカメラがメンバーの誰を撮影したらベストショットが撮れるのか、
監督もリアルタイムでしかディレクション出来ない...。
先ほどは被写体がすべて!なんて言っちゃいましたけど、
そんなコンディションの中で、
よくぞここまで活き活きとバンドの姿をとらえたものだ、と
そこはスコセッシを誉めてあげていい気もします。って俺、何サマ?

もしかすると、エグゼクティブ・プロデューサーであるストーンズのメンバー4人、
中でもミック・ジャガーあたりが実はそれも計算ずくで、
「マーティンも俺たちと一緒にライブで撮影すりゃ、一番いいモノが撮れるのさ」
なんて狙ってたりして。
ううむ。野生派にして知性派、さすがです。

さすがは漢字にすると流石、すなわちこれまた Rolling Stone だ♪
というところでお後がよろしいようで。

It's only Rock'n Roll, but I Like it!

(おしまい)

*  *  *  *  *
 
【今週の"観ずに死ねるか!シネマ"】

『シャレード』(1963年/米)
★7/23(月) 21:00~22:56 NHK BSプレミアム

お洒落でロマンティックなミステリ映画の金字塔!
オードリー・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ウォルター・マッソー、
ジョージ・ケネディ、ジェームズ・コバーン、
全員ハマり役の豪華キャストを見事に束ねた名匠スタンリー・ドーネンの至芸。
ジバンシーによる華麗な衣装も見所のこの名作、
見逃すと列車から転落するような恐ろしい事件に巻き込まれるかも!?
コラムニスト:助川 仁

ビクターエンタテインメント株式会社 編成管理チーム長 兼 KOKIAディレクター

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