観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~

大人になっても、サンタはきっとやってくる。~『34丁目の奇跡』に観るサンタ考~


「サンタクロースはいるの?いないの?」

この、世界中の子供たち共通の疑問。
みなさんは子供の頃、どのような答えを見つけましたか?
そして、パパ・ママになった時、どのように答えてあげますか?

先週は、クリスマスシーズンにぴったりの、
こんな映画が放映されました。

*  *  *  *  *

【観ずシネVol.10】

『34丁目の奇跡』(1994年/米/監督:レス・メイフィールド)
★12/22(木) 13:25~15:25 テレビ東京

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ニューヨークのクリスマス商戦の真っ只中で凌ぎを削る、
老舗デパートとコールズと真向かいのライバルデパート。

コールズの販促キャンペーンを仕切るのは、
シングルマザーのワーキングウーマン。
彼女の可愛い一人娘には、親の歩んだ轍を踏まず、
「早くから現実を知り、強く生きられる女性に育てる」ため
サンタクロースの存在は信じないように教えています。
また、一度失敗した結婚生活によって臆病になり、
彼女との結婚を望む素敵な弁護士との関係も、恋人どまり...。

そんな彼女が、ミスをした毎年のサンタ役の代役として雇ったのは、
自分が本物のサンタクロースだと語る、おかしな老人でした。
しかし、その新サンタ役の老人のお陰で、コールズの評判はうなぎ上り。
売上も右肩上がりで、倒産・買収寸前の経営状態から立ち直ります。

それを妬んだライバルデパートが計じた姦計とその顛末やいかに?

一方、<現実的>に育てられた娘も、子供らしい素直な心になりかけますが
半信半疑で頼んだ無理難題のプレゼントがもらえなければ
「やっぱりサンタはいないんだ。」と逆戻りしてしまうかもしれません。

果たしてサンタは本当にるのか?いないのか?

映画『34丁目の奇跡』は、こんなお話です。
「サンタロースはいるの?いないの?」
世界中の子供たち共通の疑問に、とっても優しい答えをプレゼントしてくれる、
クリスマスシーズンにぴったりの1本。
1947年製作の名作『三十四丁目の奇蹟』(監督:ジョージ・シートン)のリメイクですが、
本作でサンタ役の老人を演じたのは、名監督&名俳優のリチャード・アッテンボロー。
『ジュラシック・パーク』のオーナー役を演じた、あの白いお髭のおじいちゃんですね。
正にハマリ役でした♪
女の子役のマーラ・ウィルソンも、おしゃまな部分と幼い部分とを上手に演じてGOOD!
母親役のエリザベス・パーキンスも、ニール・サイモンの舞台出身らしい確かな演技力で
母親として・恋する女性としての複雑な心境を表現していました。

さて。こういう映画は、やれ映画としての出来がどうだとか、
やれオリジナルとの比較でどうだとか言うのは野暮ってもの。
サンタさんを信じていた、素直なあの頃に戻った気持ちになる事が肝心で、
決してヒネくれた気持ちで観ちゃあいけません。
そうするとアラ不思議!
「やっぱりサンタクロースっているかもしれない。」
っていう素敵な気持ちになれるのです♪

そう。サンタさんは年齢に関係ありません。
老若男女を問わず、信じれば存在し、信じなければ存在しないもの。
そういう<気持ち>によって生きている存在なんだと思います。

西洋ではもともと、クリスマスシーズンは『善意の季節』と呼ばれるそう。
そっか。<愛>や<恋>ではなくて、<善意>なんですね。

サンタを信じる<気持ち>を支える、信じさせてあげたいという<気持ち>が、
言葉を変えれば、誰かに何かをしてあげたいという<善意>が
<プレゼント>という形にになって、靴下の中に現れる。
子供たちには、おもちゃの形になって。大人たちには、また別の形になって。
そう思うと、何だか暖かい気持ちになってきます。
クリスマス・イブの夜。
世界中の子供たちの枕元には、確かにサンタは存在しているのです。
そして、僕たちの枕元にも。

茂木健一郎さんの著書『脳と仮想』は、
どうして世界中の子供たちにはサンタが実在するのか、
脳科学の見地から紐解いていて、大変面白い1冊です。
興味のある大人のみなさんは是非お読みになって下さい。

でも、クリスマスには現実的な科学を持ち込まず、
夢を持ち続けたい大人のみなさんは
クリスマスシーズンに『34丁目の奇跡』のような素敵な映画をご覧になって、
もう一度サンタクロースを甦らせてはいかがでしょう。

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さて、今年の【観ずに死ねるか!~今週のシネマ選~】はこれでおしまい。
来年は1月10日の週からスタート予定です。
2012年も<観ないと死ねない>映画をオンエアからチェックしていく所存ですので、
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

それでは。来る年がみなさんにとって素敵な1年になることを祈願いたしまして、
ここは一本締めとさせて頂きたく、どうかみなさま、お手を拝借。

♪よぉぉぉ~、ポンッ!

どうもありがとうございました!どうぞ良いお年をお迎え下さい!

(おしまい)

*  *  *  *  *

【年明け一発目の"観ずに死ねるか!シネマ"】

『シザーハンズ』(1990年/米)
★1/9(月) 13:00~14:46 NHK BSプレミアム

奇才ティム・バートンの傑作ファンタジー。
ジョニー・デップの評価を決定づけて、俳優としての地位を不動のものとし、
監督との今も続く交友関係がスタートしたのもこの映画でした。
手がシザー=はさみで創られた人造人間エドワード・シザーハンズ。
愛する人を抱きしめたら傷つけてしまう、切ない恋のおとぎ話。
これは観ないと、新年が明けません!
コラムニスト:助川 仁

ビクターエンタテインメント株式会社 編成管理チーム長 兼 KOKIAディレクター

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