一度きりの人生で「たら・れば」は禁物と言われども。

早いもので、もう11月も第2週目。
来年の足音が聞こえてくる中、みなさんものお仕事も
だんだんと年末モードに入りつつあるのではないでしょうか？

先週は、そんな忙しいビジネス・パーソン、
特に仕事に恋愛に全力投入のワーキング・ガールにお薦めの、
ちょっと変わったラブ・ストーリー映画が放映されました。

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【観ずシネVol.3】

『スライディング・ドア』 (1997/英・米/監督：ピーター・ホーウィット）
★11月3日（祝）午後13:00～14:40 NHK BSプレミアム

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人生はいつも選択の連続。
仕事でもプライベートでも、何かを選んだらもう後には戻れないもの。
自分の力で切り開く運命も、自分の力ではどうしようもない運命も、
そのひとつひとつの積み重ねが、今の自分になっている。
選択肢が正しかったら、きっとそれは自分のこれまでの努力の結果。
間違っていたとしたら、その反省を活かして前に進むしかありません。
もし...してい"たら"、もし...してい"れば"。
「たら・れば」は現実には決して起こらなかった仮定のお話なのです。

それでも「もしあの時、別の選択肢を選んでいたらどうなっていただろう？」
ついつい、そう思ってしまうのが人情。

この映画『スライディング・ドア』は、
そんな僕たちの見果てぬ夢想＝「もし○○だったら？」を、
とっても素敵に描いてみせたラブ・ストーリーです。

広告代理店に勤めるやり手のワーキング・ガール、ヘレンは
ひょんなことから地下鉄のある電車に乗りはぐってしまいます。

ここから起こる出来事"だけ"を描くのが普通の映画。
でも、この『スライディング・ドア』は
「もしヘレンがこの電車に無事乗っていたとしたら？」という、
僕たちが現実の人生では決して体験できない"もうひとつの可能性"も
映画ならではの手法で描いていくのです。

軽やかなテンポに乗っかってヘレンの２つの運命の行方を楽しむうちに、
自分のこれまでの人生における偶然と必然の連鎖について、
思いを馳せずにはいられない洒脱な物語が展開していきます。

人生はいつも選択の連続。
それでも、今の自分がここにいるのには、きっと何か理由があるはず。

今の自分に至る道のりへの思いと明日への活力が、
心地好い余韻とともに生まれる映画です。
これ以上の野暮なネタバレはしないことにしましょう。
見逃した方は是非ともレンタルして観て下さい。

主人公のヘレンを演じた、グウィネス・パルトロー。
最近では『アイアンマン』のヒロイン：ペッパー役もハマってますが、
世界的な英国ロックバンド：コールド・プレイのボーカルの奥様でもあります。
映画でもめちゃめちゃブリティッシュな雰囲気を醸し出していて、
てっきり英国出身かと思っていたら、実は米カリフォルニア出身。うそ～？

彼女のファッションやヘアスタイルもこの映画のもうひとつの楽しみで、
特にショートヘアの似合い具合といったらありません。
出演作の中でも、最も輝きを放っている1本ではないでしょうか？

私事ですが、僕は女優さんのキャスティングには並々ならぬこだわりを見せた
サスペンスの巨匠：アルフレッド・ヒッチコックの大ファン。
晩年の作品で「これは！」という女優に巡り会えなかったヒッチが今も健在なら、
チャーミングなグウィネス・パルトローをキャスティングして
洒落た英国サスペンス映画を撮ってくれたんじゃないかなあ♪などと、
もうひとつの「もし○○だったら？」を夢想させてくれる、
そんな映画でもありました。

一度きりの人生に「たら・れば」は禁物ですけれど、
こんな楽しい「たら・れば」だったら、アリですよね？

（おしまい）

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【今週の"観ずに死ねるか！シネマ"】

『BECK』(2010/日)
★11月11日（金）午後21:00～23:24 日本テレビ

映像化は不可能と言われたハロルド作石氏による大ヒット・コミック。
奇才・堤幸彦監督による話題の映画化がテレビ初登場！
音楽が題材の外国映画には秀作が多いのですが、果たして日本映画はどうかな？
今をときめくイケメン俳優達がズラリと並んだ豪華なキャストに加え、
話題沸騰のドラマ『家政婦のミタ』にも出演中の、
忽那汐里ちゃんも出てますね。う～ん、これは観ないと死ねない！