スポーツ科学でみる

睡眠時間を長くするとパフォーマンスが向上する


睡眠不足は脳の働きの一つ、判断力の低下を招く。
これは止まない、眠気が原因の事故からもわかります。

脳の力を最大限発揮させるには睡眠が必要で、
長く寝ることで、判断力だけでなく、運動能力も
向上する効果もありそうな事がわかっています。

●短距離走のタイムとシュート成功率が向上
スタンフォード大学の男子バスケットボールチーム
11人に普段通りの睡眠を2~4週間続けさせた後、
無理にでも10時間寝るように指示して、
前後の運動能力を比較した実験があります。
Mah CD; Mah KE; Kezirian EJ; Dement WC. 

結果
平均睡眠時間は6時間40分から8時間27分に延び、
・282フィート走(コートを縦に1往復半)
 16.2 ± 0.61秒から15.5 ± 0.54秒へ短縮
・フリースローの成功率が9%増加
・スリーポイントシュートの成功率が9.2%増加
驚くほどの効果が見られました。

●睡眠は体と脳を休ませる
理由として考えられるのは、
脳を休めることができたから。

起きている間、体を動かすために筋肉の温度は
上がっています。
同時に、筋肉に指令を出す、脳の温度も
上がっている。

寝ている間、体温が下がっているのがわかるのが
下のグラフ。
ondo.jpg





















睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」から引用

人間は脳の作りが近いゴリラと比較しても、
認知機能を担う前頭葉、感覚の処理や運動を担う
頭頂葉などの大脳が特に発達しているのが特徴。

体温を下げることで、この発達した大脳を休ませ、
脳の機能を回復させれば、ベストパフォーマンス
を発揮できます。

しかし、この実験は、被験者が少ない、対象群が
設定されてないなど、課題もあるのが現状。

毎日10時間寝たからと言って、運動能力が上がる。
とまでは言い切れませんが、せめて、試合前は
長く寝た方が良さそうです。


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コラムニスト:柴田 明

フィジカルトレーナー

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