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雑学

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30Kmの壁は脳の錯覚 -総運動量の4分の3が疲れのピーク-

2012年03月08日


前回マラソンの距離でハイペースを維持するには、
体に蓄えられる糖質だけでは足りないことがわかりました。
今回はラストスパートの不思議について考えてみましょう。

エネルギーが足りなくなり、疲れが溜まっているのに走り続けたら、
徐々にペースダウンして走れなくなるはず。
マラソンで考えるとラスト10kmよりラスト1kmの方がきつくなる。

でも不思議なことに、疲れ切ってフラフラになった人ですら、
ラストスパートと言って最後はペースアップできることが多い。

マラソンに限らず他のスポーツでも肉体的なエネルギー切れや、
疲労物質の増減が原因で起こる「疲労」と、
疲れを脳で感じとる「疲労感」は一致しないようです。

脳が先に疲れる
脳は総運動量を予想して、体が完全に疲れて壊れないように、 
筋肉にエネルギーを残すような仕組みになっている。
と2004年に発表したのが南アフリカの運動生理学者Timothy  David  Noakes博士。

・運動の総量(タスク)を脳は認識している。
・総運動量に対して、筋肉がエネルギーを使い切らないようにある地点で
 「運動がきつい」と感じるように脳がシグナルを出す。(疲労感の発生)
・実際は筋肉にエネルギーは残っている
らしいのです。

総運動量の「4分の3」で疲れを感じる
では、脳からどんな物質が出ると疲労感が出るかと言うと、
徐々に解明されていますが、完全にはわかっていません。

どんな物質が出ているか正確にわからないので、
総運動量に対してどれ位の地点で疲労感がピークになるのかも、
正確にはわかりません。

ですが、
マラソンで突然ペースが落ち始める「30Kmの壁」
42kmの約4分の3。
野球の7回は先発ピッチャーが調子を崩し点を取りやすい「ラッキー7」
9回の約4分の3。
ダッシュ10本と言われて、一番辛く感じるのは7本目辺り
これも約4分の3。

経験的に、脳に疲労感をもたらす物質の放出ピークは
運動の総量に対して「4分の3」辺りだろうと推測されています。
(参考:ジェニファー・アッカーマン著「からだの一日」)


攻める地点
例えエネルギーが満たされていたとしても、
総運動量に対して4分の3辺りは脳が疲労を感じる「疲労感」がピークになる地点。
脳は「体が疲れているよ」と間違ったシグナルを出します。だから突然苦しくなる。
苦しくてもゴールに近付くと、疲れを感じさせる脳のシグナルが弱くなる。
だから残ったエネルギーを使ってラストスパートできる。

体力的には余裕があっても、とても苦しく感じるこの4分の3地点は
皆が一番苦しく感じるポイントです。
相手が勝手に落ちてくれるので、ここでもうワンプッシュできれば、
大きく引き離せるし、自己ベストを更新できる可能性も広がります。

結果を求めてスポーツしているなら
疲労感はあっても完全には疲労していない
4分の3地点からさらに攻めて、好記録を狙いましょう。

コラムニスト:柴田 明

フィジカルトレーナー

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最終更新日:05月18日

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