オトナ女子的海外テレビ偏愛論★

米サスペンス・ドラマ「リベンジ」から見える日本人像って...。


本来の英語の意味「復讐」「報復」「仇を討つ」そのものの感情を巧妙に描いているのが
現在BSのDlifeでシーズン2の一挙放送真っただ中の「リベンジ(原題:Revenge)です。

日本人の意訳「再チャレンジ」的ポジティブイメージでこのドラマに臨んだら
相当裏切られるというか、勘違い状態になるのでお気を付けを。

さて、「ブラザーズ&シスターズ」で芯のある可愛い女性を演じていた
エミリー・ヴァンキャンプが、日本でいうところの
土曜ワイド劇場的な風合いの悪女を主役で演じている、この「リベンジ」。
日本のサスペンスなんかに比べたらその比でないくらい大胆な設定が魅力的。

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自分の父親が、無実にも関わらず終身刑確定。
しかも、その理由が、飛行機墜落事故を引き起こした
テロリストの資金洗浄に加担したという濡れ衣を着せられたという事態。
さらには、服役中に暴動に巻き込まれ死亡。
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こんな壮絶な背景をもつ主人公の設定など
日本のドラマでは非現実すぎてイメージすら難しい。
でも、そこは舞台がアメリカにして世界屈指の大富豪達の静養地ハンプトン。
ちょっと非日常なことが降って湧いても意外にスルーできそうなくらい
ストーリー設定がいろんな意味でゴージャスなのは、ある意味納得。

そんなわけで、怒りと憎悪を胸に抱いた状態で始まる主人公エミリーの復讐劇。
毎度毎度、結構緻密に計算して報復していく様は、ある意味痛快。
でも何より私が気になったのは、日本人の武道家が富豪の体を成して
エミリーの復讐を完遂させるべく、武術を指導し、精神を鍛え
彼女を支援するというシーンがあることです。

そのサトシ・タケダという役をシーズン1では、世界的俳優となった真田広之が
シーズン2では、ケイリー=ヒロユキ・タガワが演じています。
まさかのチェンジに正直ショックでしたが、そこで更に気になったのが
アメリカにおける日本人に対するイメージ。

シーズン2でのサトシ・タケダは黒服に波打つ険しい岩山で
なにやら武術の修行をしているシーンが出てくるし
その絵図はどうも空手とか相撲とか柔道とかそういった類で
爽やかにスポーツを連想させるというよりは
やはりサムライ、ニンジャ、ヤクザ といったヒール的な要素を
醸し出しているように思えてならない。

ちなみに、ケイリー=ヒロユキ・タガワさん、HAWAII FIVE-Oで
ヤクザのドン役を演じていたので余計にそう感じてしまうのかも。

最近のドラマにおいても、まだ日本人のキャラクターとして
この手のタイプを典型的なものと思っているアメリカ人がいかに多いのか、と
なんか複雑な気分。きっと、更に進んでアニメ、キャラクターもの、コスプレ、
オタクにみる新日本人キャラがそこに加えられて、日本人からしたら「?」が浮かぶ
謎なキャラクターを装う日本人がそのうち登場するかもしれない。

どんな国においてもステレオタイプのキャラクター像が語られるし、
自分たちも語ってたりもしますが、あえてそれを棚にあげて
一応主張しておきたいところはあるよな...と。

それは、さておき、復讐プライオリティの低い人から順に
ドミノ倒しのように陥れていくその方法はとても洗練された感があり
周りの登場人物たちが、各々問題ありで、あっちこっちで復讐・報復の
もぐらたたきが起こっているのが、面白さを倍増させているのは間違いない。

エミリーの敵である、父親の不倫相手で
大富豪コンラッド・グレイソンの妻ヴィクトリアは
エミリーのさらに上を行く悪事街道を極めていたり
素直だった人がグレーになってしまったり
裏切ったり翻ったり戻ってきてみたり。

めまぐるしいキャラクター変化に目をぱちくり。
シーズン2はそこに"ニンジャ"的なエミリーの元恋人がでてきて更なる波乱。
なにげに初恋の彼、元彼、元婚約者と両手に黒い花いっぱいのエミリーが
繰り広げる復讐の結末が気になる...。 

それにしても「Revenge」の"g"を無限大と掛け合わせて
復讐が永遠に続くのを予感させるこのドラマ、本当に結末ってあるのかしら!?
コラムニスト:岡崎 早苗

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