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今福島で起きている、目に見えない問題

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今、福島ではどんな問題が起こっているのでしょうか。

目に見える問題だけではなく、目に見えない問題もたくさんあります。


例えば食べ物について。


家庭に基準値を超える放射性物質が入ったお米がある場合、


お嫁さんはそのお米を食べたくありません。

当然、子どもにも夫にも食べさせません。

しかし、おじいちゃんは

「どうせこの先長くないし、勿体ないから」と言って食べます。

・・・では、おばあちゃんはどうするのでしょうか?


おじいちゃんに合わせて食べたくないけど食べる?

それとも正直に食べたくないと伝え、

おじいちゃん1人だけ基準値を超えた放射性物質の入ったお米を食べる?


これは実際に起こっている話で、

家族全員が同じ夕食を食べる、という今までは当たり前だったことが

今では当たり前ではなくなっています。


そのような日常のわずかなズレがいつのまにか深い溝となり、

離婚が増えたり、家族の心がバラバラになってしまうことが

現実に起こってきています。


悲しいことです。


一方では、もう震災で起きた問題を解決したことかのように捉え、

忘れている人も大勢います。

私も少し前までは、その立場でした。


しかし福島の人々は今もなお、苦しんでいます。

それでもなんとか生活を取り戻そうと頑張っている人に対して

「放射能がうつる」と子どもの間で一部いじめが

起きているというのだから、心が痛みます。

福島の子ども達の心は、もう大人と同然です。


3.11の大震災が起きたこと自体は悲しいことですが、

福島の人々は普段遭遇し得ない大きな困難をきっかけに、

命の重さや本当の意味での幸せとは何か、という人生における

尊い学びをしている、尊敬すべき人々です。


大人の私たちは日本人としての誇りを持ち、

福島の人々を支えていく必要があります。


また、いまだに福島の人々は大変な思いをしているということを

知っているということだけで、救われる人も大勢いるでしょう。

一番悲しいのは、忘れられることです。


自分とは関係ない?知らない方が楽?


日本中がひとつの家族だったら、今悲鳴を上げているのは福島の人です。

自分の家族が困っていたら、情報を集めるなり、

会いに行くなり、なんとかして助けようとアクションを起こすはず。

「少しでも自分にできることはないか?」と日本人みんなが行動すれば

きっとこの国は良くなります。

私も自分にできることを少しずつやっていきますので、

偶然にもこの記事を読んでくださったあなたも、

もしきっかけを探していたのなら、一緒に行動を起こしてみませんか?


取材:榊原万理絵

コラムニスト:ニュース/取材編集者

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