ニュース/取材

歴史は浅いが、奥は深い〜フルーツアートクリエイター協会~

9/17の日本テレビ、「ぶらり途中下車の旅」で紹介されていたのが
フルーツアートクリエイター協会。
なにやら聞きなれないお名前ですが、それもそのはず、
設立は2010年の4月というフレッシュな団体です。

協会設立のきっかけは、代表の村上しずかさんと
事務局長の高梨由美さんが那須の牧場のイベントで知り合ったこと。

murakamisan_takanashisan.jpg












村上さんは、日本料理の調理師をしているときに
野菜等を用いた細かい細工モノを任されていたそうですが
調理師として活躍の場を広げるために、自分独自の技術を身につけようと
タイに渡りフルーツに彫刻を施すフルーツカービングを学んだそうです。

しかし、フルーツカービングは一つの細工に二時間以上もかかる上、
使ったフルーツはほとんど食べられない。
そこで10分程度の作業で済み、かつフルーツもきちんと味わうことのできる
フルーツアートという村上さんオリジナルの技法を確立されたとのことでした。

いわばタイにキックボクシングの武者修行に行った格闘家が
キックボクシングの要素を取り入れた新しい格闘技の流派を打ち建てたってところでしょうか。

一方の高梨さんは、フードコンシェルジュ(体内環境師)という資格を持ち
楽しい食生活の中で、健康なカラダを手に入れるということを目的に
カラダと食材についてのかかわりを追究されていました。

このお二人、たまたま先に挙げた那須のイベントの帰り道で
一緒の電車に乗り合わせたそうです。
で、よもやま話を続けていくうちに、高梨さんは
「村上さんの持つ技術はぜひ世に広く知らしめるべきだ」とビビッと来たそうです。

食べて美味しいフルーツを素材に使うというところも
無理な食生活を強制しないで健康を手に入れる、という
高梨さんの目的にもぴったりハマっていました。

意気投合したお二人はフルーツアートクリエイター協会を設立し
フルーツアートクリエイターの育成に乗り出したということです。

フルーツアートクリエイターは、カッティングの技術だけでな
くフルーツを一つの命としてとらえ、その命を余すところなく味わい尽くすために
努力するという「心」が求められます。

例えば取材時に頂いたフルーツティー。
彩りも味も素晴らしく、喫茶店で注文すれば
かなりのお値段を取られるような高級感漂うお茶だったのですが
このお茶に用いたフルーツは作品を仕上げる時に出た端材を用いたもの。
生産者が丹精を凝らしたフルーツをひとかけらたりとも無駄にしない、
という哲学が見事に現れています。

そして、その「心」を基に、生産者、提供者(流通、飲食業)、消費者の三者が
共に利益を得るために活動するのがフルーツアートクリエイターの使命だということでした。

生産者は手塩にかけたフルーツたちを流通業者や飲食業者に販売して確実に利益を得る。
流通業や飲食業の皆さんは、フルーツを芸術作品に仕上げることで
高い付加価値を付与し適正な利益を得る。
そして消費者は、フルーツの美しさを堪能するとともに
栄養をしっかりと摂取するという訳です。

う~ん、深い。ただ見た目を美しくするためではなく
フルーツに携わる人々皆が享受できる新しい価値を生み出す、
まさしくクリエイターを養成してるってことなんですね。

柄にもなく壮大なことを考え始めたところで
村上さんによるデモンストレーションを見せていただきました。

choukoku.jpg












なんの変哲もないメロンが、あっという間に、芸術作品へと変貌します。

最後に「Fruits Art」というカードを飾って完成。
このカードを飾ることが出来るのは
フルーツアートクリエイターの資格を持った人の作品のみだそうです。

fruits.jpg












カットされたフルーツを見たら、まずこのカードを探してみてください。
腕のいい彫刻師は、木を見た瞬間に
「木がこういう形に彫られたがっている」という形を見抜いて
そして木の中からそれを取り出すのだ、という話を聞いたことがありますが
村上さんは「果物の形を見た瞬間、大体どんな作品になるかイメージできる」と
仰っていました。まさに仰った通りの光景を見せてもらったんです!!
「素晴らしい」という言葉しか浮かびませんでした。

協会からは、いままでに38名のフルーツアートクリエイターが巣立たれており
また現在は16人が資格取得を目指して講習を受けられているそうです。
「習わなければ100%出来ない技ですが、
資格取得を目指す方には100%出来るようになるまで指導します」と高梨氏。
費用も30万ほどかかるそうです。生半可な決意では踏み込めない道だってことですね。

でもご安心ください。
プロになろうという悲壮な決意はなくても
趣味としてフルーツアートを学びたいという方のために
フルーツFANアドヴァイザーという資格も認定しているそうです。
こちらは取得の費用も7万円弱とリーズナブルなお値段となっています。
一度身に付けてしまえば一生モノの技術ですから
私個人の意見としては、決して高いとは思いません。

なお、現在プリンスパークタワー東京でのフルーツアートフェア(~10/31)を実施中です。
残念ながら、実際にデモンストレーションを行う期間は過ぎてしまいましたが
フルーツアートを見て楽しみ、味わうことは出来ます。
食べるのがもったいないくらいのアート作品の数々、
食欲の秋の一環としても芸術の秋の一環としても味わってみてはいかがでしょうか?

フルーツアートクリエイター協会
東京都港区芝浦4-5-13-203
03-5413-7367
ホームページはこちら

プリンスパークタワー東京
ホームページはこちら

取材:江良与一

(「ぶらり途中下車の旅」で紹介されたフルーツアートクリエイター協会)

コラムニスト:ニュース/取材編集者

本ページはプロモーションが含まれています。