プランナー・エイミーのゆるーい感じで仕事と子育て

子どもとのコミュニケーションは"待つ"コミュニケーション


先日「地球イチバン(NHK)」で「世界一子どもにやさしい」という
オランダの教育について紹介していました。

毎日の勉強も、お友だちとのトラブルも、将来のことも、自分で考え、自分で選んでいく。
40年前の大きな教育法の変更から始まったというこのスタイルで、
オランダの学力は世界トップレベルだそう。
早くから子どもの自立を意識した教育に光をあて、日本との違いを浮き彫りにしていきます。
スタジオゲストには、それぞれお子さんをお持ちのタレント、
渡辺満理奈さん、ジャガー横田さん、
ロンドンブーツの田村亮さんと、尾木ママこと尾木直樹先生。
ゲストの方々も、オランダの学校や家庭での教育や子どもとの接し方に、
驚いたり、日本でそのまま当てはまるかと考え込んでみたり。
きっと視聴者も同様だったのではないでしょうか。

今回のオランダに限らず、近年、スウェーデンやフィンランドの子育て・教育環境について、
その良さを紹介する番組が増えました。学習プランだけではなく、物理的な環境も、
日本との違いを視覚的に感じられるポイントでしょう。
教室など子どもの教育現場では、"色"-たとえば赤、青、黄色、緑などなど、
明るく楽しそうな明度彩度の高い色が効果的に取り入れられていることが多い。
実際子どもたちはみなそうした空間でとても楽しそうに遊び、
学んでいる様子がテレビでもよく映し出されています。
色への意識を持って子どもの空間づくりをしている点についてはうらやましく、
色をかじっている者としては日本でももっと取り入れたらいいのにともどかしく感じます。

北欧の国々と日本では、住環境、労働環境も違うし、
そもそも人口自体が大きくちがうため(日本の1億2000万人に対し、オランダは1200万人、
スウェーデンは930万人、スウェーデンは530万人)、良いから即座に取り入れようというのは
単純にできない部分も、実際は大きいかもしれません。
子育てや教育に対するきめ細やかさを国レベルで実践できる点もあるだろうと思います。
が、学校が好き、家族といるのが楽しい、と迷いなく答え、
同時に将来についての思いもよどみなく答えるオランダの子どもたちを見ると、
自分の子育てや教育について、考え直したくなるもの。

自立を促し自主性を育てる、という子育てスタイル、
頭ではわかっていてもついつい先回りして言ったりやってあげちゃったり...
後半、渡辺満理奈さんも言っていたこと、
世の母親は多かれ少なかれあるのではないでしょうか。

わが家でも、超がつくせっかちの夫は、
何かを自らしようと思っている子ども(のみならずわたしにも!)
「●●してね」と、どうしても言ってしまいます。
たとえば、外出から帰った際に、洗面所に向かっていても「手を洗いなさいね」、
なにかを人からいただいてありがとうと言おうとしているのを待てずに「ありがとう、は?」、
食事前に席に着くや「いただきますは?」...。

わたしが食事をテーブルに運んだ後、コーヒーを取りにキッチンに戻っていると、
間髪入れずに「コーヒーもらえる?」...
だから今持っていくためにこっちに取りに来たんだってば!!
おっといけない、本筋からずれてしまいました...。

とにかく、斯様に現代人は「待つこと」ができない体になっている、
少なくとも私の身近にもいるわけです。
子どもは(本当はお年寄りもですが)独特の速度で動きます。
それを理解しないととてもイライラしてしまう。
自分と子どもの速度と動き方のちがいを理解し、子どもに合わせることは、
大人時間だけで生きていた時間が長い者(我々夫婦など)には
ガマンや忍耐と感じることも多いのですが、本来はちがうはず。

わたしもこの番組を見て、まずは子どもにやらせて...
と反省したにも関わらず、翌朝にはまた長男とケンカ!
子どもとのコミュニケーションの基本姿勢は、
"待つ"ことなのだろうと思います。

待つことって、大人の脳は「止まること」と捉えがちですが、
本当は、相手へのやさしさ、相手主体にすること、穏やかに保つことで、
本当は誰にでも通用すること。
待って、見守る、というのは、とても優しいことであって、
易しくできることではないなあと日々感じます。

こうして改めて見てみれば、「何度も言ってるでしょう!」と、
懲りずに学習しないのは親の方かもしれませぬ...


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子どもは彼らなりののペースで、でもお互いを気づかって歩くのです...

コラムニスト:丸山 エミ

マルコムラボ 代表

丸山エミのAbfab Days
http://abfabdays.blogspot.com/

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