一人広報の達人イデルミのコラム

見返りを 求めた末の なれの果て


12月14日、株式会社宣伝会議主催「広報効果測定一日セミナー」で、
総論を解説するトップバッターの演者として、2時間、講演しました。
http://ec.sendenkaigi.com/products/detail.php?product_id=3017

株式会社宣伝会議が発行する月刊誌「広報会議」の
2011年11月号から6回シリーズで、
2ページコラム「広報はじめて物語」を連載して頂いています。

広報・PRの活動を数値化する場合、最も多く使われるのが「広告換算」。
広報活動によって(無償で)掲載された記事を、
「もし広告として出稿したら何円分に相当するのか」を算出したのが「広告換算」です。

ただ、「広告換算」を出してすら、広報活動の成果は、
経営層をはじめとした社員に認めてもらいにくい部分。
広報担当者は、「こんなに自分たちは一生懸命やっているのに・・」と、
一生懸命頑張った見返りとして、経営層からの評価を求めますが、
なかなか難しく、広報担当者の悩みのトップは
「広告活動の評価が難しい」になっています。

恋愛でよくあるのは、
「僕が(私が)こんなに尽くしているのに、あの人はちっともこちらを向いてくれない」
という状況。

あるいは仕事で
「自分はこんなに会社に貢献しているのに、会社はそれに見合うだけの給料をくれない」
「上司のためにこんなに頑張ったのに、全然評価してくれない」などという不満や愚痴。

見返りを求め過ぎたり、どちらか一方だけに負荷がかかり過ぎたりすると、
たいがいの場合、その関係(恋愛・仕事など)は崩壊し、長く続くことはありません。

本日12月16日付の日経MJ(日経流通新聞)16面に、
映画「男はつらいよ」の主人公、寅さんの生き方に共感する女性が増えている、
という内容が特集されています。

映画「男はつらいよ」は、1968年に放送されたテレビシリーズを原型にして、
松竹が、山田洋次監督の原作・脚本で、1969年から1995年まで、
26年間にわたり48作品を製作・公開したものです。

1968年といえば、今から43年前。
43年経って、寅さんの魅力を学ぶ社会人向け講座や、
女性誌で寅さん流の着こなし「寅カジ」ファッションが特集されるなどとは、
主演の故渥美清さんは夢にも思わなかったでしょう。

息の長い人気といえば、歌手の由紀さおりさん。
12月5~11日のオリコン調べでは、アルバム「1969」が8位に入っています。
欧米で、上位にランクインされる異例のヒット作となっており、
世界22カ国で順次発売されているそう。
由紀さおりさんがデビューしたのは今から46年前の1965年。

同じミュージシャンとしては、福山雅治さんも、
18歳でデビューしてから40代の今まで、息の長い活動を続けていらっしゃいます。
雑誌や新聞のインタビュー(*)では、自分がどうこうより、
(仕事の)オファーをくれた人が喜んでくれたらいいという思いが強い、
子どものころからお使いやみかん狩りを手伝って、
親や祖母が喜ぶ顔を見るのが好きだった、
その気持ちが僕の仕事の原点かもしれない、
といった趣旨のことを述べておられます。
(* 週刊誌AERA2011年9月12日号p5、 朝日新聞2011年9月17日付36面より)

みんなが自分を犠牲にするようなことをやりだすと、
社会全体がおかしなことになる、ということもおっしゃっています。

寅さんが主人公の映画「男はつらいよ」、由紀さおりさん、福山雅治さん。

共通項は、「見返りを求めないからこそ、長く続けられる」ということでしょうか。

自己満足ではなく、"自己実現"。

自己実現の特徴は

1、 見返りを求めていない
2、 自分が愉しいから、やる
3、 犠牲感がない

自己実現を目指すことが、結局は、気持ちよく、長く、続けられるコツかもしれません。

最後に、素晴らしい影絵をご紹介しましょう。
この作品は、「みんなが喜んでいる」顔を想像して
作られたのではないかなと思います。
コラムニスト:井出 留美

office 3.11代表

井出留美オフィシャルブログ http://iderumi.com/
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