愛媛県松山市に見る宮城県石巻市の"石"
2011年09月26日
前職の社員旅行で、愛媛県松山市に三日間滞在しました。
道後温泉に三日間連続で入り、瀬戸内海に浮かぶ島、大三島にある伯方の塩工場を見学したり
年末にテレビ放映される予定の「坂の上の雲」のミュージアムを見学したりと
充実した旅でした。
中でも、テレビ放映される「坂の上の雲」は
司馬遼太郎氏が40代を費やして完成させた大作です。
1968(昭和43)年4月22日から、1972(昭和47)年8月4日まで
なんと5年以上も、産経新聞夕刊に掲載されました。
愛媛県松山市の坂の上の雲ミュージアムには
この連載記事の写しすべてが一面に展示されています。
また、記事そのものがクリッピングされており、その数なんと、1,296。
これは、私にとって、印象深いものでした。
なぜなら、外資系食品企業の「ひとり」広報室長を務めていた間、
11年間継続して配信していた「広報室ニュースレター」の通算配信回数は
1305回だったからです。
司馬遼太郎氏の小説を、書籍という形ではなく
毎回の新聞記事の1296回の積み重ねという形で拝見し
「継続は力なり」ということを改めて実感しました。
また、坂の上の雲ミュージアムのすぐ近くに
萬翠荘(ばんすいそう)という、フランス風建築があります。
愛媛県指定有形文化財として、多くの観光客を集めています。
萬翠荘さんのサイトはこちら
ここで驚いたのが、屋根の急勾配の部分に、天然スレートを使用しており
それが宮城県石巻市の雄勝(おがつ)石であることです。
雄勝石は、堆積岩の粘板岩に分類され
最大の特徴は、その色の美しさときめ細やかさだそうです。
「天然スレート」とは、この粘板岩を板状に割った板状の石を指します。
明治20年頃、西洋の建築技術が日本に導入され始めた頃から
宮城県雄勝から算出される石が、スレートの加工材料として知られるようになりました。
ところが、この貴重なスレート材料も、このたびの東日本大震災で
工場が打撃を受け、甚大な被害を受けました。
東日本大震災では、東北の地元の品も大きな被害を受けましたが
宮城県の石が、ここ遠く離れた愛媛県松山市でも息づいていたのです。
全国の硯石の大部分を生産していた宮城県雄勝。
誇るべき文化がすたれないよう、祈るばかりです。
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