一人広報の達人イデルミのコラム

愛媛県松山市に見る宮城県石巻市の"石"

前職の社員旅行で、愛媛県松山市に三日間滞在しました。
道後温泉に三日間連続で入り、瀬戸内海に浮かぶ島、大三島にある伯方の塩工場を見学したり
年末にテレビ放映される予定の「坂の上の雲」のミュージアムを見学したりと
充実した旅でした。

matsuyama_01.jpg













matsuyama_02.jpg






















中でも、テレビ放映される「坂の上の雲」は
司馬遼太郎氏が40代を費やして完成させた大作です。
1968(昭和43)年4月22日から、1972(昭和47)年8月4日まで
なんと5年以上も、産経新聞夕刊に掲載されました。

愛媛県松山市の坂の上の雲ミュージアムには
この連載記事の写しすべてが一面に展示されています。
また、記事そのものがクリッピングされており、その数なんと、1,296。
これは、私にとって、印象深いものでした。
なぜなら、外資系食品企業の「ひとり」広報室長を務めていた間、
11年間継続して配信していた「広報室ニュースレター」の通算配信回数は
1305回だったからです。

司馬遼太郎氏の小説を、書籍という形ではなく
毎回の新聞記事の1296回の積み重ねという形で拝見し
「継続は力なり」ということを改めて実感しました。

matsuyama_03.jpg






















また、坂の上の雲ミュージアムのすぐ近くに
萬翠荘(ばんすいそう)という、フランス風建築があります。
愛媛県指定有形文化財として、多くの観光客を集めています。
萬翠荘さんのサイトはこちら

ここで驚いたのが、屋根の急勾配の部分に、天然スレートを使用しており
それが宮城県石巻市の雄勝(おがつ)石であることです。
雄勝石は、堆積岩の粘板岩に分類され
最大の特徴は、その色の美しさときめ細やかさだそうです。
「天然スレート」とは、この粘板岩を板状に割った板状の石を指します。
明治20年頃、西洋の建築技術が日本に導入され始めた頃から
宮城県雄勝から算出される石が、スレートの加工材料として知られるようになりました。

ところが、この貴重なスレート材料も、このたびの東日本大震災で
工場が打撃を受け、甚大な被害を受けました。
東日本大震災では、東北の地元の品も大きな被害を受けましたが
宮城県の石が、ここ遠く離れた愛媛県松山市でも息づいていたのです。
全国の硯石の大部分を生産していた宮城県雄勝。
誇るべき文化がすたれないよう、祈るばかりです。

matsuyama_04.jpg

コラムニスト:井出 留美

office 3.11代表

井出留美オフィシャルブログ http://iderumi.com/
Twitter of Dr. Rumi Ide, Ph.D. : http://twitter.com/rumiide
office 3.11 http://www.office311.jp/

本ページはプロモーションが含まれています。