なんでもやったらいいじゃん。

全豪ベスト8のプロテニスプレイヤー錦織圭の育て方

テニス界ではまだ興奮が覚めやらぬ錦織圭選手の快挙。日の出ずる国(rising sun)日本の若き男子選手(son)は世界の四大大会のひとつである全豪オープンで8位となりました。まずこの四大大会とは、全豪オープン、全仏オープン全英オープン(ウィンブルドン)全米オープンの四つで、国際テニス連盟が定めるものです。ニュースでも大々的に報道されたので、皆さんもこの快挙には本当に驚かされ、感激したかと思います。

そんな錦織圭選手は現在22歳。凄いですよね、本当に。硬式テニスの競技人口は1億人。もちろんダブルスもあるものの、個人スポーツとしては、かなり人口が多いと言われています。ちなみに、比べてしまうと規模が違うのですが、世界で一番競技されているだろうサッカーは一説によると2億5千万人以上だそうです。ただそれと比べても、十分過ぎるくらいの競技人口の中で、上位8位に入ったのです。(※男子女子含みますが。)


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そんな錦織圭選手は知っての通り、幼少時代からテニスを"本格的に"やっています。5歳でテニスクラブに通うところから始め、6年生の時にはすでに全国選抜ジュニア選手権で優勝。その後も立て続けに優勝し、史上5人目の全国制覇3冠を達成。天才と言われていたことも納得です。

ただ、ここからが凄い。当時では義務教育である中学2年生時にアメリカフロリダ州にあるニック・ボロテリーテニスアカデミーに留学!!この挑戦が彼をここまでの実力にしたのでしょうね。言葉もわからない地で、サポートはあったものの、ハードな練習とストレスを感じるだろう言語環境で、自分をイジメ抜いたんだろうな、と想像するだけでも厳しい生活を送ったんだと思います。

このニック・ボロテリーテニスアカデミーというのは、世界でも有数のスポーツメディア企業のインターナショナル・メディア・グループ(略してIMG)が保有しているアスリートを育成するための世界的な学校なのです。このIMGに所属している選手は誰もが聞いたことがあるような選手たちで、テニスで言っても、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルといった男子の二大巨頭から、女子では誰もが知っているマリア・シャラポワ。そして、日本人で言えば、テレビでも、Twitterのbot機能でも大人気(笑)のあの、松岡修造もです。また、テニス以外でも、日本の宝、ハンマー投げの室伏広治や次大会での優勝が期待されるアイススケートの浅田真央などが所属している。これだけを見ても、IMGが世界で活躍できるアスリートを育て上げていることは明確です。

日本には、このような機関はない、というのが現実です。日本としても世界に通用するアスリートをさらに生んでいくためには、こうした機関が必要だと私は強く考えています。IMGはスポーツやファッションのメディア企業でありながら、選手の育成からマネジメント(代理人やスポンサーシップなど)までを一気通貫で行っているため、質の高いアスリートを育て、出口も用意している点が凄い。こうした存在が選手の取り扱いフィーの高騰に繋がるという声も多く上がってはいるが、『育成』から手がけているのだから、私は正当な報酬だと考えています。今は日本にない状況ですし、錦織圭選手のようになりたければ、やはり海外に挑戦してみるしかないのかもしれませんね。しかも子どもの頃から、となると、これは親も一緒に考えないといけないことになってきます。

ところで、ことテニスにして言えば、この錦織圭選手の上にいる人たちはどんな選手生活を送ってきたのでしょうか?先に挙げたナダルとフェデラーというテニス界の二大巨頭は、4歳の頃からテニスの虜になっています。2人ともサッカーをやっていたのは、うん、関係ないでしょうね(苦笑)。とにかく、スタートが早いことが挙げられます。これはやはり、どんなスポーツでもよく言われることですよね。そして、12歳、14歳の頃には、プロを目指してテニスに取り組んでいます。始めるのが早かっただけではなく、プロを正式に目指し始めるのも人並み外れて早い、ということも挙げられます。

そろそろまとめましょう。錦織圭の育て方。要は、お話したかったのは、世界で通用するアスリートの育て方です。今まで読んできた中でもうすでにお気づきかと思いますが、結論はとてもシンプルなものとなりそうです。


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■やはり始めるのは早い方が良い。
錦織選手も5歳から。ナダル選手、フェデラー選手は4歳から。これは間違いないでしょうね。言語や音感も幼少期で決まる、と聞きますし、やはり何でも早い方が得。こう考えて間違いないでしょう。

■親の理解とサポートは非常に重要。
上記を実現させるためにも、とても重要なファクターになります。たしか錦織選手の父は、義務教育の年齢にして、海外に送ることを少し悩んだそうです。日本で考えれば、それは当たり前だと私も思います。ただ、子どもの可能性とやる気にかけた。この懐深い親がいてこその、だったんだと思います。その他の選手においても、叔父がプロ選手だった、などの環境面が非常に大きかったんだな、と考えさせられます。

■海外のプロ組織で育成を受ける。
現状を考えると、まだ日本にはこういった組織や機関がないため、海外に行くしかないでしょうね。世界的に有名なコーチやトレーニングメソッドを若い頃から叩き込まれることは、非常に有意義だと思います。日本では、中学生の頃なんて、テニス部の監督もバスケ部の監督も、未経験者だったりしますからね(苦笑)。そんな監督に怒られたり、無駄に走らされたりする日本の学生が、本当に可哀想で、それを生み出している日本の組織構成が残念で仕方ありません。

最後に、こんなところでお伝えするのもアレですが、私は、日本にIMGのような機関を作りたいと思っています。もちろん、日本にもIMGの法人はありますし、サッカーの中田選手で一躍有名になったサニーサイドアップスポーツカンパニーもあります。ただ、私は自分がやってきたバスケで、そういった機関を持ちたい、そう強く思っています。

日本から、海外へドンドン羽ばたいていけるアスリートが生まれますように。いや、生んでいけるように。


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代表取締役 平地大樹
コラムニスト:平地 大樹

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