箸道 ~食と生活とおいしい生き方~

男の美学を考える


こんばんは。
「箸道」と「サイコロジック」の牟田実(むたみのる)です(^。^)
 

今週、衝撃的な(?)ニュースがありました。
翌日から民放各社はそのニュースばかり。

そのニュースとは、

「島田紳助芸能界引退」

時事ネタ喫茶店マスターの夏川さんもコラムに書かれてましたね。
しかし、夏川さんはすごい。漫才ネタがよく毎日ポンポンと出てくるものです。
私など、逆立ちしても昼寝しても出てきやしません。

そうそう、紳助あにいの件でした。
なんと、25日(木)の全国紙朝刊では、数社が「社説」で取り扱ってます。
社・社・社説ですよ。
確かに、暴力団との黒いつながりは社会悪であることよくわかります。
でも、芸能スキャンダルが社説で取り上げられるだなんて。


はっきり言わせて下さい。 
なんと日本は能天気なんでしょう。

オジサンはこの国の将来が不安になってきました。
とりあえず、年金だけはお願いしますよ。
あと数年でお世話になるんですから・・・


この国のリーダーである総理大臣があと数日で代わります。
すでにカウントダウンに入っています。
総理大臣に誰がなるのかよりも
どんな政策を実行していくのかよりも
放射能汚染問題や原発3km圏内住民の一時帰宅よりも
超円高で日本経済に暗雲が漂いつつあることよりも
「カダフィをさがせ」よりも
中国の巡視船が尖閣諸島で領海侵犯していることよりも
ジャイアンツのラミレスが記念すべき350号ホーマーを打ったことよりも

紳助引退は大きな扱いです。

「この星を代表するのは、総理大臣ではなくて、お笑いタレントだ」
と宇宙人ジョーンズに、「菅」じゃなくて「缶」コーヒー飲みながら
この星の調査報告されそうです。

かく言う私も、23日夜の記者会見をじっくりみてしまいました(';')

「この程度で引退ですよ」
「一番重い罰を自ら負いました」
「会社から(引退を)言われたのではなく自分から申し出ました」
「後輩に示しがつかない」

まさに花は桜木、人は武士(注)
散り際の美学を演出し、自ら演じていましたね。 

彼なりの「男の美学」を追求したかったのでしょう。
でも、かなり自分に酔ってたな。
せっかくの美学を示したかったようですが
その後、様々な疑惑が取りざたされ
本人の意図するところとは違う方向に行きはじめてますね。

今回も話が飛んでます。
紳助芸能界引退、そんなことはどうでもいいのです。
要は「男の美学」について語りたかっただけです。
長い前振りでスミマセンでした。だから、いきなり結論です。

「男の美学」とは、「自分なりのこだわりを持つ」ということ。

(注):桜は散り際が美しく、武士も潔い死に際こそが清く美しいという意


●なぜ男は「こだわり」を持ちたがるのか

靴下は必ず右足から履く。しかし靴は左から履く。
うっかりこの順番を間違えると、なにか重大なトラブルに見舞われるようで落ち着かない。
風呂に入ったら、まず髪の毛を洗う、そして顔、最後にカラダ。
つまり上から下へのこだわり。
左手の小指の爪だけは伸ばす。そのために、左手の小指の爪の手入れは
爪切りは使わず、やすりかけのみにする。
整髪料は学生時代からの柳屋のポマード。
牛丼は吉野家。

まあ、いろいろな「こだわり」がありますよね。


サイコロジック的にみると(サイコロジックの意味がわからない人はこちらへ) 

モノやコトへのこだわりは、女性よりも男性の方が強い傾向にあります。
誰かと会った時、その人を評価するのに
男性の場合は「対人勢力的基準」を使います。
女性は「対人感情的基準」で判断します。
おっと、話が急に難しくなって、恐縮ですの梨元さん。

男性の「対人勢力的基準」には二つあります。
一つは、社会的関係が上か下か、もう一つは、自分にとって敵か味方かです。
人をみるときに、この二つで判断し、敬語を使うのかタメ口でもいいのか
こちらが下手に出るのか出ないのかを決めています。
先輩、上司、年上、親会社の人は明らかに自分より上位。
その逆の関係は、自分より下位。
昔は、女性より男性の方が上という男尊女卑の考え方もありました。

大学の先輩だが子会社の人や、年上だけど自分の部下となると
微妙になってくるわけです。
もっと微妙なのは、大学の後輩で年下で女性の自分の上司という関係。
まあ、ここまでくれば、微妙というよりも割り切って
女王様好きにして下さいとなるのでしょうが。

男性は、間違っても明らかに自分の上位の人には呼び捨てやタメ口は使いません。
さらにそれに加えて、この人は自分にとって主流派か反主流派か
社長派か専務派かといった敵か味方かで人を判断をします。


一方、女性の「対人感情的基準」はひとつ。
それは「好きか嫌いか」です。
相手の年齢が自分より上であっても、その人のことを嫌いでなければ
タメ口で気軽に話ができる。

テレビで、小沢元代表を見て、「私この人、生理的に嫌い」ということを口にします。
しかし、男性にとっては、この「生理的に嫌い」という意味がよく理解できません。
「別に直接会ったこともないし、話したこともないのに、好きも嫌いもないでしょ」
というのが男性の感覚だと思います。

ここで、ひとつお知らせです。
小沢元代表とは架空の人物でありフィクションです。

さて、ここまではいいでしょうか?
次に進みます。
ついてこられない人は置いていきます。

男は、社会的関係の中で上か下か、敵か味方で判断します。
ですから、人よりも少しでも上位にいたいという気持があります。

勉強ではあいつにかなわない。
運動でもあいつにかなわない。
しかし、牛乳瓶のふたの収集では俺の方がすごい。
誰も持っていないポケモンのレアものカードを持っている
といったことに快感を覚えます。

女性から見たら「アホ」ですよね。
皆さんの周りにもこの手の「こだわり男」いません?

実は脳の構造が女性と男性では違うんです。
女性からみれば「くだらない趣味」のように見えても
男性にとってみれば「こだわり」なのです。
そこには、哲学があるのです。

男性が「行きつけの店」に女性を連れて行きたがるのはなぜか?
というのも同じ理由からです。。
「行きつけの店」であれば、自分の優位性を示せるからです。
「マスターいつものやつ」と注文するだけで飲み物が出てくる。
これは、この店では俺は偉いんだぞ!と言いたいんです。
思ってもらいたいんです。

女性は、「行きつけの店」に連れてってもらうよりは
「今話題のお店」に行ってみたいですよね?
たとえそう思っても、顔には一切出してはいけません。
連れてきてもらった男性に
「このお店ではカオなんですね。ス・テ・キ」とひとこと言うだけで
男性の、あなたへの評価は一気にヒートアップします。
それだけでなく、財布のひもはゆるゆるになります。


●やはり男は「こだわり」を持て

不易流行(ふえきりゅうこう)という言葉があります。
あの松尾芭蕉が提唱したと言われています。
「不易」とは「変えてはいけないもの。守るべきもの」
そして「流行」とは「新たに創りだしていくもの」ということです。
伝統や理念は変えてはいけないが、変えるべきものは変えていかないと
陳腐化してしまうというものです。
これは多くのことにあてはまります。
基本コンセプトや理念は変えてはいけない。
しかし、商品やサービスなどは常に新しいものを追い求めるといった具合に。

NPO法人日本箸道協会では、日本の食文化もまさに「不易流行」と考えています。
合理的だからといって、刺身をフォークで食べる。お吸い物をスプーンで飲む。
やはりこれは邪道です。
おいしくなさそうですよね。

一方で、生活様式が変わったことで、時代劇に出てくるような
一人一人の前に膳で食事が出てくることはほとんどありません。
イスに座り、テーブルを使っていただくのが普通です。
守るべきものと新しく創りだしていくこと、この両方が大事なのです。

そのためには、食材のこと、調理法のこと、マナーのこと、盛り付けのことなどを
勉強しておく必要があります。
あらゆるものを見聞きして勉強して、初めて「こだわり」が生まれてくるものです。

そして、それができる人が「粋(いき)」であり「艶(つや)やか」だと考えています。

「お、粋だね、艶やかだね」と言われる人は、いい男でありいい女。
何も勉強せずに、ただ「こだわって」いるのは、単なる頑固かワガママです。

ひとこと言わせていただきます。
「やっぱりオンナは綺麗でなくちゃ!」


●自分のこだわりを整理してみよう!

・「さぬきうどん」には「ちくわの天ぷら」(イモ天、イカ天は No good)
・「ギョウザ」はラー油や醤油を使わず、「酢」だけ
・「ラーメン」でなく「ワンタンメン」(ワンタンが入ることで味のごまかしがきかなくなる)
・「白いご飯」を焼き海苔でくるんで食べる場合、海苔に醤油がついた面を
 ご飯とは逆側(つまり外側)にする
・「目玉焼きは」ソースで。醤油、塩は不可。マヨネーズ、ケチャップは問題外
・「カレーライス」の一口目は「ご飯」
・「カップアイスクリーム」はふたの裏についたものから食べる
・「かき氷」は「練乳」(ある料亭の女将が、お客様を見ていると練乳が好きなのは
 若い人よりも年配の人と言ってました。アララ)

人は、私の「こだわり」を単に「好みでしょ」と評価する人もいます。
しかし、そんなことはありません。
「ちくわの天ぷら哲学」がそこにはちゃんとあるのです。


前回の謎解き? 
すっかり忘れてました。また今度。


最後までお読みいただきありがとうございます。
また、お会いしましょう。

コラムニスト:牟田 実

食と生活ラボ代表

食と生活ラボ代表 http://www.shoku-labo.com/
NPO法人日本箸道協会 副理事長兼事務局長 http://www.hashido.net/
Facebook: http://www.facebook.com/minoru.muta
m-muta@hashido.net

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