箸道 ~食と生活とおいしい生き方~

知性と品格

おはようございます。
「箸道」と「サイコロジック」の牟田実(むたみのる)です(^。^)

「箸道」と「サイコロジック」の意味はもう完璧ですね?
「はしどう」は読むだけでなく、漢字でも書けますね?
「え!? まだ自信ない?」そういう方は、前回、前々回のコラムを良く読んで
復習しておいてください。


・イマドキのテレビ

東北の一部を除き、アナログから地デジになり約3週間が経ちました。
我が家のアナログテレビもまだまだ十分使えました。
にもかかわらず、新しい地デジ用テレビを買うか
チューナーを買わなければいけないなんて・・・
「これは、きっと国や電機メーカーの陰謀に違いない」と確信しました。

しかし、熟考の末(家族に言わせると、熟考というより単なる優柔不断)
地デジのテレビを買いました。
これは、私が体制や陰謀に屈した訳ではありません。
あくまで地デジを通して様々な情報を得るための新たな投資なのです。
おいおい。

サイコロジック的にいうと、こういう状態を「認知的不協和」といいます。
「認知的不協和」とは、自分の気持と行動が矛盾している状況を
勝手に正当化してしまおうということです。。

イソップの寓話に例を見つけられます。

キツネが実ったブドウを食べようとします。ジャンプしてブドウを食べようとします。
しかし、ブドウは高いところにあって、何度ジャンプしても届きません。
結局食べることができませんでした。
そこで、キツネはこのように考えます。
「どうせこのブドウはすっぱくて食べられないんだ。誰が食べてやるもんか」
そして「すっぱいブドウなんて食べたくない」と捨て台詞を残して去るというものです。

A:この時のキツネの気持:ブドウを食べたい
B:キツネの行動:ジャンプしても、とることができない
C:正当化:すっぱいに違いない。頼まれても食べるもんか

私の場合は、認知的不協和というよりも、根っからの貧乏性なだけなのかも(涙)。

さて、地デジテレビにしてからというもの、テレビをよく観るようになりました。
少しでも投資の元を取ろうという貧乏根性でしょうか。

素晴らしい番組も多いのですが、一方では、何か考えたら?という番組もあります。
特にバラエティーは、どれもひな壇にタレント並べた番組ばやり。
中身もウケ狙いの楽屋ネタばかりで、どの局も似たような番組内容です。
そこには、知性や品格を全く感じられません。
しかもゴールデンタイムに。

そして今回、問題となっている東海テレビ放送のテロップ事件。
岩手県産「ひとめぼれ」10kgの当選者のテストテロップに
・怪しいお米 セシウムさん
・怪しいお米 セシウムさん
・汚染されたお米 セシウムさん
と表記。これがまたオンエアされてしまいました。

東海テレビ放送によれば、(テロップは)ミスで流れたとのこと。
でも品を感じられないので、同社の説明も、本当かいな?
と疑いたくなります。

前回、前々回のコラムで、「知性や品格は普段のちょっとしたことに表れる」
ということを、箸や食事を例にしてお話ししました。
東海テレビ放送も「テストテロップ用」ということで
ついつい「素」が出てしまったのかもしれません。


・イマドキの若い者は

さて、いつの時代も「イマドキの若い者は・・」と言われます。
そんなことないな、と感じたことがありました。
8月4日(この日は「箸の日」)に、東京の国立オリンピック記念青少年センターで
全国家庭クラブ指導者養成講座が開催されました。
各都道府県の代表高等学校から、顧問の先生と生徒さん達が参加されました。
今回は、先生向け、生徒さん向けの養成講座を担当させていただきました。

この様子はこちらをどうぞ。

講座の内容は、日本の食文化や箸についての体験学習会でした。
各地の高校代表者ということもあるのでしょうが、皆さん、きちんと自分の意見を言え
マナーも良く、イマドキの高校生も予想を反して(?)
すごくしっかりしているのには驚きました。

こういうしっかりした若者たちがいれば、これからの日本はまだまだ大丈夫と感じました。


・真の国際化の意味

国際化というと、語学を習得したり、外国の文化や習慣を勉強したり
というイメージがあります。
高校で、英語をしっかり勉強するのも大切ですが
日本の文化、特に食文化についてもっと指導していただきたいと
養成講座で皆さんにお願いしました。
自分の国の文化について自分の口で語れること、これこそが、
国際化の第一歩であり、知性と品格を備えることでもあります。

知性と品格を備えたいなら、もつ鍋、たこ焼き、もんじゃ焼き、
正しく外国人に説明できるよう勉強しましょう。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
また、お会いしましょう。

コラムニスト:牟田 実

食と生活ラボ代表

食と生活ラボ代表 http://www.shoku-labo.com/
NPO法人日本箸道協会 副理事長兼事務局長 http://www.hashido.net/
Facebook: http://www.facebook.com/minoru.muta
m-muta@hashido.net

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